azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」ネタバレ有り感想。なぜ俺はこの映画がわからなかったのか。

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以前、「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」を観たことがあるんですけど、その時は、まぁ全然楽しめなかったわけじゃないんですけど、まー刺さんなくて。

その当時の映画.comの評価は3.6だったんですね。4行くとこれはもう大評判、3.7だと好評、という感じなので、まぁ微妙な感じではあったんです。

ただ、この映画の背景とかを考えると、やはり気になる。というわけで、頭の良い人が書いたレビュー記事を調べてみたんです。

そしたらまー、自分全然読めてねぇな、と(^^;; 我ながら知識のなさと行間の読めなさっぷりに愕然としたわけです。細かい伏線とかも全然読めてませんでしたね。

ただ、言い訳すると、割とわかってはいたんですよ、背景とか状況とか撮影の意図とか(←え?)。でも、それを踏まえた上でこの映画は楽しめなかったんですね。

なんで僕がこの映画をある程度わかりつつ楽しめなかったか、よくよく考えたら、それがわかったような気がします。

ざっくりどんな映画か

詳しい話は、それらレビューサイトを見ていただくとして(ここで書いてしまうと、それはパクりですからね)、ここではざっくり言ってみます(ざっくりなら許されると思って…)。

アメリカのどうにも抜け出せない貧困層を徹底した子供の目線から描くことで、「本当の」アメリカを非常なリアリズムで活写し、ドキュメンタリーのように描きつつ、実は役者の配置なども周到に計算され、しっかりとしたストーリーがあるという、非常に凝った作りとなっている映画、と言えると思います。

そうすることで、ジワジワと観る者に問題提起をしている、のだと思います。

なぜ俺はわからなかったか

観てて、僕もね、貧困層の若いシングルマザーをリアル且つ生き生きとパワフルに描いていたのは、面白いとは思ったんです。

ヒーローではなく、下の方からの社会やものの見え方を描く、っていう視点は大事な視点だと思うし。

同じような時期に公開された「万引き家族」はまさに同じような視点で描かれていたし。

でも、「万引き家族」はすごく刺さって、「フロリダ・プロジェクト」は刺さんなかったんですよね。

それは多分、主人公に感情移入できるかどうか、だったと思います。

万引き家族」の方はあの家族一人一人にすごくスポットを当てたり、それぞれの関係性を丁寧に浮き彫りにしたり、とにかく登場人物に感情移入ができるような作りになっていたように思うんです。もちろん、個人差あって、全然感情移入できなかったって人もいると思うけど、少なくとも、彼らの日常を誤解を恐れずに言うと「豊かなもの」(←なんじゃそりゃw でも上手い表現が見当たらない)として描こうという意図はあったと思います。

一方の「フロリダ・プロジェクト」は、登場人物にほぼほぼ感情移入できませんでした。

もちろん、この映画でもこの母娘の強い絆や貧しいながらも楽しく、「豊かな」シーンはありました。でも、ダメだったんですねー俺。

主人公のシングルマザーが基本クソだったんです。就職することもできず、非合法な押し売りをやってみたり、言葉遣いも汚いし。別のモーテルの女性受付に「そんな言葉遣いだから貧しいのよ」と一喝されてしまうくらいです。

そんな親に育てられた子供はとんでもなく可愛げのねぇクッソガキだし。その子供の目線から映画は撮られてるわけですから、そりゃ感情移入しろってのは無理というものです(これも個人差あると思いますが、僕はそうでした)。

だから、自業自得じゃね?とすら思ってしまいました。

感情移入できなかった点に気付いた時、「あぁ、俺は頭で観るタイプじゃなく、感情に引きずられて観るタイプなんだなぁ」と改めて思いました。

だから、僕は「フロリダ・プロジェクト」を楽しめなかったんだと思います。

そこを切り分けて考えられて、あくまで映画をまっさらな状態で、冷静にストーリー、絵、音を観ることができる人には楽しめる映画なんだと思います。

それに、なぜ僕が感情移入できなかったか、の理由に、この映画で描かれている状況がなぜ起こってしまうのか、そのアメリカが抱える本当の貧困にまつわる問題に対して、僕が無知だったこともあるでしょう。

それを知っていれば、なぜ主人公たちがああいう行動を取らざるを得なかったのか、それがわかったと思います。自業自得、そういう側面もあるけど、それだけじゃない。もっと構造的な問題があるんです。それがわかれば、感情移入できたかもしれません。

また、やはりここで描かれていることはアメリカでの出来事で、実感としては僕にはわからなかった、というのも大きいと思います。

万引き家族」はやはり日本を描いた作品ですから、肌感覚として状況が理解できたんだと思います。だけど、やはり異国の作品で、社会問題を繊細に描かれたら、やはりそこを理解するのは難しかったかなぁ、と思います。

なんだかすごい自己弁護してますけどねw

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子供がポップに描けている

そうは言っても、楽しめた面もあるにはありました。

「クソガキ」を生き生きと活写してたのは良かったと思います。子どものキャーキャー言う感じ(←)や、ヤバいことをした後に様子がおかしいところなど、そういった子供の生態は非常によく描けていたと思います。

ここも是枝裕和と共通するところなんですが、それもそのはず、この作品の監督さんは制作するにあたり、「誰も知らない」を参考にしたそうです。是枝裕和すげえ!

あと、モーテルという舞台を逆手に取ったポップでカラフルな映像美は見事でしたね。特にこの映画のモーテルは近くにディズニーワールドがあることを意識してか、非常にファンタスティックなデザインとなっております。

管理人のおっさんは元悪役

登場人物中、唯一感情移入できたのは支配人のおっさんでした。

クズ揃いの住人を愛を持って守っている感じがして。子どものみならず大人も、です。みんなのことを守ってる。

でも、その眼差しは優しいながらもどこか切ないんですよねぇ。彼らの行く末を心配しつつ、案じているんでしょうね。助けたくても、ある程度までで、本当には助けられない。その感じがすごく良かったんですよねぇ。

そしてこの役でアカデミー賞助演男優賞候補にノミネートされたそうです。

ちなみにこのおっさん、「ストリート・オブ・ファイヤー」では悪役軍団ボンバーズ(ネーミングのダサさが好き)のボス、レイベンを演じていたのです!

あの蛇のような目が印象的な、いかにも悪そうな兄ちゃんが時を経てモーテルの管理人さんになっているとは感慨深い。どうりで、曲者揃いの住人にも全く怯まないはずだ。

ただ、親会社のお偉いさんには全く頭が上がらず、元ヤンと言えども、世間の荒波には逆らえないのは、何とも世知辛いですね(もちろん、二つの作品に関連性は全くなく、完全な俺の妄想)。

そんな感じでですね、自分の映画を観る技術のなさを痛感させられた、自分にとってはそんな作品となってしまいました。

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