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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「鬼滅の刃」第十一巻ネタバレ有り感想。鬼のドラマは感情のグレーゾーン!!

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鬼滅の刃」全巻感想、今回は第11巻。遊郭編が遂に決着!ということで、一つのエピソードとしては、今回が現時点での最長エピソードでした。

三巻ブチ抜きの長期エピソードということで、三話を費やしたウルトラマンタロウバードン編を思い出してしまいます。まさかのゾフィの敗北でした…。これが原因で「ゾフィー最弱説」が定着してしまった曰く付きのエピソード。まぁ、それはいいんですけど。

今巻はほとんどのページを戦闘シーンに割いていて、バトル漫画として本格的に覚醒した感があったように思います。ひとつひとつの絵も、それぞれにバトルとしての迫力、勢い、スピード感があって、初期のたどたどしさはすっかり影を潜めた感じです。

また、久々に鬼のドラマが描かれていて、そこも非常に良かったと思います。

絵、上手くなってない?

今回、非常に迫力のあるバトルが、ほぼ全編に渡って描かれていたのですが、その迫力の要因の一つが絵だと思います。

吾峠呼世晴、絵ェ上手くなってない?

実は、結構前の巻から思い始めていたのですが、絵がかなり上手くなってきたのではないでしょうか。

一巻とかの時は正直、「…下手じゃね?」とか「見にくいなぁ」と思うことが多々あったんですけど、それがこの11巻になると、そう感じることがあんまりなかったと思うんですよね(少しは見にくいと感じるところはあった)。

よく言われることですが、長期連載をすると、最初は下手だった漫画家が瞬く間に上手くなっていくそうです。吾峠呼世晴も例外ではなかったようです。グイグイと上手くなってきています。

やはりバトル漫画はバトルの描写が大事。ということは絵が上手くないとダメ。いくら展開や発想が面白くても、それを表現する技術がないと、その面白さを余すところなく読者に伝えることができません。

バトルは肉体的なものですから、動きを視覚的に表現できるのは小説に比べて漫画の大きな武器であります。しかも現実にはありえないカッコいい描写を、絵なら表現できる。ここは実写映画に比べても漫画(アニメ)の強味であると思います。

だから、バトル漫画描くには絵が下手だとダメなんですね。

それが、吾峠呼世晴はバンバン上手くなっていって、この巻でそれが大きく花開いたように思います。

「もうダメだ」と思わせる

しかも、展開やアイデアも上手い。

読んでいて、「これもアウトだろ」と思うことが多々ありました。というより、その連続でした。やっぱ、上弦の鬼、強い! 上弦の鬼が二人一組のタッグ組んだらダメでしょ。反則だよそれ(こっちは総勢7名だったけど、それは置いときます)。

しかも、やられ方もグロい。炭治郎は下からアゴを貫かれ(ヒー)、天元は左腕を斬り落とされ、左目を潰され、伊之助は心臓を一突き。

これもうアウトでしょ。

しかし、それぞれにウルトラCを駆使して、なんとか這い上がり、最後には上弦の鬼二人の首を斬り落とします。

ついでに、毒攻撃も、禰豆子の血鬼術の炎で飛ばす、というご都合主義的チート能力で無効化します。

でも、解決の仕方や勝ち方なんて、割とどうでもいいんですよね。どうでもいい、っていうと言い過ぎだけど、要は、少々無理があったり、ご都合主義でもいいんです。

要はそこに至るまで、読者に「もうダメだ」と思わせることが大事で。読者に諦めさせる。でも、その状態から主人公が、炭治郎が勝って、そこにカタルシスを感じる。

この「もうダメだ」が非常によく出来ていたと思います。炭治郎がボロッボロになりながらも絶対あきらめない。「炭治郎もあきらめた」と思わせて、それは全く嘘。全然あきらめてなんかいない。

それに、どんなにチートでご都合主義な解決方法でも、それを使って救われて「良かった」と思わせる登場人物の魅力が大事。

鬼滅の刃」は登場人物がみんな魅力的。だから、チートでご都合主義でも無事なら万事OK。天元は引退に追い込まれたけど、生きていたのは、読者的にはせめてもの救いだったように思います。

感情のグレーゾーン

それと、なんと言っても、久々に鬼のドラマが描かれていたのが良かったと思います。ある意味、この「鬼のドラマ」がこの漫画の核のような気がします。

今回の上弦の鬼の兄妹も、鬼になる前の人生がありました。それはもう、本当に悲惨で、それこそ「人に食われて」いたように思います。

そして鬼になって、今度は逆に、文字通り人を喰い倒してきました。

しかし、彼らが鬼になってやったことは、それはもう悪いことです。償う事すらできないでしょう。

じゃあ、彼らが全く悪いだけだったかというと、そう感じることも難しいです。

どう感じていいか、どう話していいか、わからないですね。何かこう、正解がなく、非常にもやもやしたものが残ります。

確か村上春樹が、人の社会にはハッキリとしたものや論理では説明できないものがある、そういった、人の社会からこぼれ落ちたようなものを汲み取るのが小説家の仕事、というようなことを言っていたように思います(ウロ覚え)。

鬼滅の刃」はそんな漫画のように思います。

確かに、ジャンプ漫画特有の「友情、努力、勝利」といった紋切型の勝ち負けは、あるにはあります。でも、炭治郎が勝った後、彼に去来する感情は勝利でしょうか?

多分、感情には黒と白だけじゃない、グレーゾーンとでも言うべきものがあるように思います。

鬼滅の刃」は、そんなものがある漫画かな、と今回の11巻でまた強く思いました。

 

 

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