またまた冬目景を買ってきました。今回は「文車館来訪記」というマンガです。
これは書き下ろし以外オールカラーというファンにとっては嬉しい一冊です。オールカラーですよ。総天然色です。そもそも大抵のマンガってコミックになると連載時はカラーだったページが白黒になるじゃないですか。あれ、見てて悔しいです。僕は雑誌の連載よりもまとめて読めるコミック派なので、ほとんどのマンガは単行本化されてから読んでいます。そうすると、当然そんな感じで「元の色」では読めなかったりするパターンが多いです。「おお振り」とかは連載時にカラーのページはちゃんとそのままカラーで単行本化されているのですが、そういうのは稀ですからね。やっぱコストかかるからなのかなー。ここらへんは出版社の方も是非ご一考願いたいです。
で、やっぱり冬目景の絵は雰囲気ありますね。やはりカラーになると冬目景の絵の良さが更に際立っている感じがします。シリーズになってる、4ページくらいの一話完結の短編なのですが、短いだけあって連載の時からカラーだったみたいです。そもそもの企画として、冬目景の絵の良さを前面に押し出そうというものなのでしょう。だから単行本化されても全てカラーのままだったのかもしれません。
時代設定は今回も大正です。もののけの類が住む街に一人だけ人間が住んでいるという、やはりファンタジーの王道を行くような作品です。ここらへんも冬目景節炸裂って感じでいいです。もののけと言っても基本的には人間の使い古したものという、だから「モノ」ですね。それで、唯一の人間であるヨオという若者がその街で写真館を営んでいて、その写真はモノや人の(おそらく最も大事にしている)思い出を写してくれるという、写真館が主な舞台です。で、そういうモノや人が持っている「思い出」を巡る話、だと思います。でも、単に昔を懐かしむような話ではなくて、「今」に繋がる再出発としての思い出の話であるように思われます。