「アフタースクール 」を観てきましたー。色々とよい評判を聞いていたんですけど、なかなかよかったです。基本的にはサスペンスだと思うんですけど、でも、どことなくユーモラスな雰囲気が全体的に流れています。特にこれといったギャグとか、狙ってるシーンとかもあんまりないんですけど、何となく面白い雰囲気になっていたと思います。演出的にも緊迫感とか出さないようにしていた感じですかねー。でも、その感じが結構良かったと思います。そういう雰囲気はキャスティングに拠るところも大きかったと思います。あんまり緊張感のない風貌の人たちというか。主役三人(大泉洋 、佐々木蔵之介 、堺雅人 )もそうだけど、ヤクザの親分が伊武雅刀 というのも絶妙な感じがします。みんな、やろうと思えば緊張感も出せるんだとは思うけど、どちらかと言えば脱力系が得意そうな人たちが多かったですからねぇ。
サスペンスだけど、ほぼ状況を説明せずに中盤までダーッと行ってしまう感じが良かったですね。何となくはわかるんだけど、薄ボンヤリしてる感じ。「あれ、なんでこここうなるんだろう?」って思うところが随所に散りばめられてて、それがかえって映画にのめり込ませてたと思います。佐々木蔵之介に引っ張り廻され、「ちゃんと説明してくれ」と繰り返す大泉に感情移入できる感じですね。でも、それも後で裏切られるんですけどね。この裏切りというか、タネ明かしな感じがなかなか爽快っていうか、やるなーって感じでしたね。で、最後まで全てが説明されないものも結構あったりするんですけど、観終わった後で、「ああ、あそこああだからああなってたんだ」って反芻してわかる感じです。だから、まぁ、ある意味リアルな作りというか、「自然な」作りになっていたと思います。
あと、佐々木蔵之介演じる探偵がさりげなく一昔前のスパイ大作戦 ばりのハイテク機器を使いこなしてるところがカッコよかったですねー。「ハイテクスパイもの」とはどこにも銘打たれてはいないのに、さりげなくそういう機器を使わせてるところが渋いです。「今の探偵、これくらいは当たり前」っていう感じなんでしょうか。でも、よく考えたら今は誰にでも手に入るようなものばかりだったりしますからね。さすが21世紀です。
あと、中学の頃に好きだった女の子のために頑張るっていうのがいいですねー。再会したシーンとかね、好きですね。冒頭、中学で女の子が男の子にラヴレターを渡すシーンから始まるんですけど、あれが全ての始まりっていう。でも、そこもまた裏切られるんですけどね(笑) それを思うと、この映画、ホントに裏切りの連続で、小っちゃい疑問や不整合が後に裏切られ、一本の糸で繋がっていくという。それでいてハッピーエンドで、ちょっと「微笑ましい」後日譚(正確に言うなら「前日譚」だけど(^^;;)まで付いてて、そして最後の最後にブラックなオマケまで付いてて。大きな感動はない映画だけど、よくできているし、サーヴィス精神旺盛な作品だと思います。