フジファブリック のインディーズ盤第一弾を買ってきました。その名も「アラカルト」。既にメジャーデビューしたバンドのインディーズ時代の作品を聴けるというのはファンとしては嬉しい限りです。しかも、フジファブリックのインディーズ盤は二枚出てて、両方共大手レコード店(CD店?)で普通に入手可能というのはなかなか新しい。時代を感じさせるというか。
で、そんなわけで聴いてみたのですが、先ずヴォーカル志村正彦の声が若い! そんなに変わんないけど、やっぱり荒削りな感じはあって、しかも声が細いというか、まだできていない感じというか、とにかく若い! その感じがまだデビュー前という感じで、なんかいいです。あと、「フジファブリック」とは言うものの、クレジット見たら、まだ現在のメンバーは志村正彦一人です。これはちょっと意外でした。演奏力、音楽性などでき得る限り最高のメンバーを集めようと、紆余曲折があったのかもしれません。そこらへんは幼稚園の頃からの気心の知れた仲間が集まったBUMP OF CHICKEN とはかなり違います。もちろん、そこらへんはどっちがいいかっていうのは考え方次第です。気心が知れた方がバンドとしてのチームワークはいいでしょうし、演奏力や音楽性の高いメンバーを集めた方が当然のことながら演奏のクオリティは上がります。僕は両方共好きですが。
で、曲の方なのですが、メジャーデビュー後のアルバムにも収録されているのは「茜色の夕日」だけでした。曲や詞の感じはフジファブリックらしさがあるのですが、全体的な音としてはちょっと、イメージが違ったかもしれません。現在のフジファブリックはどちらかというとロック色が強い印象がありますが、こちらはもうちょっとポップな感じがします。現在の方が音が重くて、この時代の方が軽いというか。
あと、やっぱりアレンジ面ではキーボードのウエイトが大きかったです。この時のキーボーディストは金澤ダイスケではなかったのですが、音色的にはほとんどオルガンだけど、この人も上手いです。こうして考えると、志村正彦の中でキーボードのアレンジというのはすごく大きいものなのかな、と思います。基本的にはギターバンドだと思うけど、キーボードは欠かせない、というところでしょうか。確かにギターの音色だけよりも、キーボードで色々と味付けした方が色々な表情を付けられるというか、深みが出るように思います。
でも、やっぱり僕としては現在のフジファブリックの方が好きだけど、これはこれでやっぱりフジファブリック色があるというか、なかなかいいと思います。