azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「火星の運河」は乱歩ファン必携の書!!

映画館で買いました


以前、「乱歩地獄 」という映画を観に行ったのですが、その時に映画館で「火星の運河」という本を買ってきました。その映画は四本の乱歩作品のオムニバスで、そのうち「火星の運河」だけ読んだことがありませんでした。


で、読んでみたんですけど、流石は乱歩。やっぱり面白かったです。乱歩の見た夢が題材になってるらしいんですけど、流石にすごい世界観ですね。圧迫感があるような、広いような狭いような世界の恐怖、不安。そして、ある意味色彩のイメージも強かったです。ある種、アヴァンギャルドで、サイケデリックにも通じるような世界観は乱歩ならではのもののように思います。やっぱり映画の方は原作には及ばないですね。まぁ、このオムニバス映画自体、原作に拮抗するような素晴らしいものは実相寺昭雄監督が撮った「鏡地獄」だけだったのですが。


で、この本なんですけど、表題作の「火星の運河」以外はほとんど乱歩が雑誌などに書いた評論文です。乱歩が感じる恐怖、怪談、探偵小説についてなど、話題は多岐に渡っているのですが、乱歩の趣味や思考などがよくわかる感じで、乱歩ファンには特に面白い本だと思います。乱歩がいかに「おどろ趣味」的なものが好きだったか、そして人が特になんとも思わないものに恐怖を感じていたかなど、ファンにしてみれば「やっぱり」と思うようなものも多いのですが、それについてかなり詳しく書いてあるので、なかなか面白いです。また乱歩の推理小説に対する造詣の深さには驚かされます。当時誰も知らないような作品も原文で読んでいたと思われる箇所も多々あります。やはり乱歩は色んな意味で日本の探偵小説を切り開いていったのだなぁ、と思います。あと、怪談やスリルについてかなり系統立てて論じている文章もあります。一般的なイメージはもうちょっと感覚的な人のような感じがあると思いますが、実は非常に論理的な人だったのかもしれません。血液型で言うとA型的な。あと、ヒッチコックが来日した折には会食もしたことがあることも書かれていて、驚きました。すごいビッグ対談が実現していたんですね!


まぁ、そんなわけで、乱歩の評論本というのはなかなか珍しく、そしてなかなか面白い内容なので、乱歩ファン必携の本と言っても過言ではないと思います。