「鬼滅の刃」全巻感想、今回は第十三巻ですねー。全23巻なので、まだ残り10冊切っていません。長いです。
前回の第十二巻は戦いと戦いの合間の、体を癒す巻、そして更に強くなるための修行の巻だったのですが、今回は一冊丸々バトル巻です。
そして、そのバトルを通じて新キャラ(登場自体は皆随分前に済ませていますが、本格的に描かれたのは前巻から)の人となり、歴史みたいなのも描かれてきました。
久々、鬼のキモバトル
いやー、キモッ! キモい!
ひっさびさですかねぇ、これだけのキモバトル。バトルがキモいというよりは敵がキモいですね。しかも、上弦の鬼の第5位の方。4位の方はそんなでもなく、むしろちょっとカッコ良くすらあるのですが、第5位がキモい。
鬼滅のバトルはキモいのがデフォなので今更感はあるのですが、そのキモさはスプラッター的なキモさなんですよね。猟奇的というか。
でも、この第5位のキモさは、何て言うんでしょうねー、生物的なキモさというんでしょうかねー。生理的に無理というか、まぁ、正確に言うとそれすらも軽く越えるキモさなんですよね。
「久々」と言うからには以前もあったんですけど、それは第四巻の蜘蛛の回でしたね。あれはキモかった。それ以来ですね、こういうキモさは。
先ず、この第5位の武器、と言っていいんでしょうかね、それがキモい。鯉みたいな魚に手足が生えた化け物を壺から出すのですが、こいつが人を喰ったりするわけです。それがねー、キモい。
そして、人を殺した後、その殺した人たち同士をくっつけて、更には刀まで突き刺すんです。おまけに断末魔の声とかも再現させたりして。
いやー、まぁ、本当に悪趣味で、これは非常に猟奇的ですね。マジでヘドが出るし、あの時透無一郎すらも「クソ野郎」呼ばわりしてしまいます。
ここらへん、何というか、吾峠呼世晴の残酷性が如実に出てるところなのかもしれませんね。
バトル場面でもギャグ要素
これまでの鬼滅って、ギャグ要素は結構多目だったりしたのですが、それは戦いと戦いの合間のエピソードに限られていたように思います。
でも、今回のバトルでは、ちょいちょい、まぁそんなに数は多くはないのですが、ギャグ要素を挟んできています。
ここら辺、ちょっと作者としての余裕を感じました。なんというか、こなれてきたというか。作品世界を掴んだというか。
血生臭い描写やシリアスな展開が続く中、こうした息抜き的な描写があると、ちょっとホッとしますよね。そこら辺の出し入れが上手いというか。
しかも、それがすごく小さく、手書きのセリフとかなんですよね。そのさりげなさがいいですよね。
また、バトルで言うと、ちょっと炭治郎が怖くなってきました。バトル中、鬼の弱点を見つけた時、笑うんです。
これ、ちょっと怖いですよね。あんなに優しくて純粋な炭治郎が、殺しあってる最中、笑うんです。また、その笑いの絵が、なんか怖いんですよね。
戦いを重ねていく中、炭治郎も「染まってきた」な、っていう風に感じました。
時透無一郎は生まれたて?
で、今回、新キャラの過去が少しずつ語られているのですが、先ずはこの男、時透無一郎。
前巻の感想で、俺こいつ大っ嫌いって書いたばっかなんですけど、彼にもなかなかの過去がありまして。
どうも、記憶がないらしいんですよね。しかも、かなりの大怪我が原因らしくて。その大怪我がどうしてなのかは語られていないのですが。
彼の、なんか紋切り型というか、無機質な思考は、そういうところから来てるのかもしれません。
ひょっとしたら、時透無一郎は意識的には「生まれたて」なのかもしれません。人と相対しても、どういう風に感じていいかわからない、というか。
そんな彼も、早くも炭治郎との出会いに影響を受けたようです。
彼の無機質な優先順位の思考が変わるんですね。それも、炭治郎を思い出して。
鯉の化け物にやられそうになっている小鉄少年を見ても、最初は素通りしようとするんです。優先順位が下、ってんで。でも、その時、炭治郎の顔が頭をよぎるんですね。それで、助けるんです。
また、別のシーンでは、身を呈して毒針から刀鍛冶たちを守ります。
多分、生まれたてなもんだから、影響も受けやすいのかもしれません。
しかも、さっき書いたように、鬼に対して「クソ野郎」と感情を露わにします。
これは、炭治郎との出会いだけではなく、戦いを通して記憶が徐々に戻ってきたからなのかもしれません。
ただ、この巻では鬼に水の中に閉じ込められた(しかも毒針を刺された状態で)ままで終わっています。次巻、どうなるか。
不死川玄弥は鬼?
そして今回過去が語られた新キャラのもう一人、不死川玄弥。
前巻では炭治郎には、大して仲良くもないのに「玄弥」とファーストネームで呼ばれ、苦言を呈していましたね。炭治郎って、割と距離の詰め方がおかしいところがあるかもしれません。
で、この不死川玄弥なんですけど、彼は柱であるお兄さんに対して、後ろめたい気持ちがあったんですねぇ。
状況もわかりもせずに、自分よりももっと辛かったであろう兄貴をなじってしまったんですね。そのことを謝りたい一心で鬼殺隊として頑張っているようで。
彼ら兄弟の母親は鬼になってしまったんです。鬼になったわけだから、間違いなく鬼舞辻が絡んでいるのでしょう。あいつ、どこにでも出てくるな。
それで、この不死川玄弥なんですけど、その名の通り、死にません。どんなに鬼から致命傷を食らっても死なないんです。
なぜなら、不死川玄弥が鬼だから。
そのように言明はされていないのですが、これもう鬼でしょ! 目とか完全に鬼じゃん。
実は鬼殺隊には、禰豆子よりも先に鬼がいたんですねー(禰豆子は正式には鬼殺隊じゃないけど)。
でも、不死川玄弥、鬼ではあるのですが、会話ができます。人を食いたがりません。だから、ちょっと怖いけど会話ができる禰豆子、といった感じです。
甘露寺蜜璃はビッチ?
そして、今回は甘露寺蜜璃が初参戦です。
いや、強い。なんか、鞭のようにしなる刀であのキモい鯉みたいな化け物を一刀の元斬り捨てます。
里の人たち曰く、可愛いから忘れてたけど強い。
なんせ、自分より強い殿方を求めて鬼殺隊に入隊しただけあって、ナチュラルな強さがあるのでしょう。ちょっとスタン・ハンセン的なところがありますね。
ところで、どうでもいいですけど(よくないけど)、甘露寺さんの隊服って一人だけやたらとエロくないですか?
胸めちゃくちゃ開いてるし、そもそも超ミニスカートだし。
誘ってるんですかね? ビッチなんですかね? 好き。