「ダンジョン飯」をですねー、毎回楽しみに観ているのですが、今回感想を書くあたり、つまり7話からくらいですね、なんとなく、こう、ちょっと、キナ臭くなってきたというか、「おや?」と思うようなところも散見されるようになってきました。
なんというか、なんとなく「黒さ」みたいなものを、その兆候みたいなものを感じるようになってきたような気がします。
なんというんですかねー、このダンジョンと言いますか、この「世界」と言いますか、なんか闇がありそうで、なんか香ばしくなってきましたねー。エグみを感じるというか。
そんな、第7~9話の感想です。
PV
第7話
冒頭、いつかの回で財宝に擬態する虫に全滅させられたパーティが、なんか怪しげなパーティに蘇生してもらう場面から始まります。
で、怪しげなパーティの一人が全滅の原因は擬態する虫にやられたことを隠してしまいます。曰く「死体は多い方が良い」。
どうも死体を蘇生させて、その謝礼金で儲けているらしいんですね、このパーティ。そういう「職業」があるという設定もなかなか細かい。ダンジョンは危険な上、蘇生技術があるのなら、それで商売するというのもありそうな話です。
そういうことを生業としているわけですから、擬態する虫にやられたパーティに自分たちを全滅させたと疑っているパーティ(つまりライオスたち)に復讐させよう、という腹なのでしょう。
その後、虫にやられたパーティは再びライオスたちのパーティに先んじて且つ全滅させられていました。一体どうやって先回りしたのかはわかりません。ここは一つ謎ですね。そういう、何かワープ的な術を持ってるんでしょうか。
そして、今回の舞台は地下湖水。なかなかロマンあるダンジョンです。
センシはここでもマルシルの水上歩行魔法を拒絶し、「飼い慣らしていた」と豪語する水の上を歩ける馬のような魔物に乗ると言います。
しかし、ライオスの懸念通り、魔物はセンシを背に乗せたまま水中へと潜り、センシを食おうとします。センシ曰く「背中に乗るのを待っていた」。そういう獲物の取り方なのでしょう。いや、やはり魔物恐るべし。相手を油断させておいて食う、というのは捕食方法としてはめちゃエゲツないですね。
ライオスは「魔物は何を考えているのかわからない」と言うのですが、それはそのまま我々の現実世界の動物にも当てはまるように思います。
最近はインスタとかで野生動物との和気あいあいとした動画とかがよく投稿されていますが、なんせ相手は野性ですからね、いつ牙を剥いてくるかわからない。なんか、このアニメの異世界は、やはり現実と地続きな感じがします。すごくリアル。
そして今回の料理はクラーケン! タコヤイカですかねw そしてそこに寄生していた寄生虫! いや毎回思ってるけど、来るとこまで来たなぁw
クラーケンはあまり美味しくなかったそうですが(デカすぎるから大味だったのかも)、巨大寄生虫(ちょうどウナギくらいの大きさ)の蒲焼きはめちゃ美味かったらしいです。
しかしまぁ。なんというか、人間というのは不思議な、強いもので、最初グロいと思っても、一度その美味しさを知ってしまうと、後はもう美味そうにしか見えなくなるんですねー。
以前、橋本愛が主演した「littele forest」という映画で、鴨をさばいて料理する、というシーンがあったんです。もちろん、そこでグロいとか気持ち悪いとか言って「文句言ってる」奴は食う資格なし!だとは思います。
しかし、それはそれとして、どうしても「可哀想」とか「グロい」と、感覚的には思ってしまいます。それはまぁ仕方がないことだとも思うんですよね。
でも、その映画を見ていたら、ある時点から、もうその捌かれていく鴨を「食材」としか見れなくなってしまったんですね。
そして感想としては「可哀想」から「美味そう」になってしまいました。まぁ、なんというか…そういうもんですよ。
そしてまた、今回ちょっと魔法に関してセンシはマルシルに歩み寄り、そしてまたダンジョン内の生態系の奥深さに感動するのでありました。
第8話
今回はマルシル回で、前半は魔法魔術学校でのファリンとの出会い。
で、今回マルシルがファリンとの馴れ初めを話す際、魔法魔術学校始まって以来の才女だったことを明かします。やっぱり優等生だったんですねー。それっぽい描写はこれまでにも散見されました。
しかし、いかんせん「自称」なので、すかさずチルチャックから、「始まって以来」は言い過ぎだろ、と突っ込まれます。でも、それに対して割とガチで怒ったので、まぁ、多分事実そうだったのでしょう。
一方ファリンは、いつも泥だらけで、授業をサボる落ちこぼれということでした。しかし、授業ではマルシルを凌ぐほどの成果を挙げてしまいます。気になったマルシルは色々と教えてもらうことになります。
実はファリンはダンジョンに足繁く通っていたのだそう。それは「勉強のため」というよりは、好きだから。楽しいから行っていたのでしょう。いわば「趣味を兼ねた実践」ですね。自然と身についたフィールドワークというか。
その感じはなんとなくセンシっぽくもあるけど、センシはいささか男っぽい求道的なところがあります。対してファリンの場合は、そのような肩肘張った、気負ったところはなく、実に自然にダンジョンに溶け込んでいる感じ。
それは頭デッカチだった(今でもそうだが)マルシルにはかなり刺激的だったよう。秀才と、ある意味での「天才」の出会いというのは、なかなか面白い。
それにしても、マルシルが言う、「ダンジョンを作る」という発想がまた面白いですねー。実際この世界では、魔術学校でもダンジョンの作り方を学んだり、ダンジョンとは「作るもの」であるらしい。そして今、ライオス一派が潜っているダンジョンはマルシル曰く実によくできていると言います。
それは「狂人の所業」だと。ダンジョンが「人工」を基本とするなら、このダンジョンは「自然」なのでしょう。設定厨にはたまらない作品ですね。
そして後半はマルシルがウンディーネに襲われ、一騎打ち。しかし、朝の身支度中だったこともあり、武器である杖がない。そんな中、なんとか奮戦するのですが相手が強力すぎました。深手を負い、パーティの連中に助けられて撤退。
そして今回の料理は、そんなマルシルを元気付けるために、前回の水棲馬の焼肉。これがまた、もう、ホントリアルで美味そう! マジで焼き肉食いたくなったもん。あと馬刺し。
そして最後に、その匂いにつられて(?)、マルシルを裏切った筋肉オバサンがいるパーティが現れます。次回、波乱の予感。
第9話
今回はパーティの金銭的な世知辛さについての回、だと思います。
前回のラストからの続きで、裏切り者の赤髪マッチョおばさんが所属するグループが合流。
なんというかこのグループ、さすが裏切り者が所属しているだけあっていけ好かない。リーダーが考古学的にダンジョンを研究している学者らしいんですけど、まー何というか、インテリだかなんだか、金持ちだかなんだか知らないけど、エリート風を吹かせてきます。いけ好かない。
怪我人(マルシル)を前にしても、交換条件を出せ、と治療を突っぱねます。それでいて、実はそんなに役に立たない。ウンディーネくらいわけない、と言いつつまるで歯が立たなかったりします。そのくせ人使いが荒い。まー最悪ですね。
ただ、蘇生術は使えるらしく、そういった蘇生系の術には長けている模様。そして、センシは蘇生術のことを魔法の中で一番嫌っているそう。なんとなく、その思想はわからんでもないですが、いや、冒険に置いては蘇生術は結構重要であるような気もします。
そして、そのやり取りの中でまた新たな情報が出てきます。学者曰く「このダンジョンの中では魂が体にくくりつけられて離れらない」んだそう。もっと言ってしまうと、死が『許されていない』とも。
なんだか、逆に闇の深さを感じてしまいます。
そんな感じでまぁひどいパーティなんですけど、その代わり、働きに関してはそれ相応の対価で応じるところもあります。ライオスが調査を手伝えば、その報酬としてマルシルを治療したり。
ただどうやら、この世界、しかもパーティの間では仕事と報酬というのがことのほか重要であるらしいです。
チルチャックがファリン救出に付き合うのも、実は現金後払いだったとか何とか言ってました。つまり、報酬が出るからであって、決して情で動いているわけではなかったんですね。ショック。
だからか、裏切り者の赤髪マッチョおばさんを見ても、マルシルと違い、ライオスは実にサバサバとしたものでした(いや、おまえの妹を裏切ったも同然なんだぞ。まぁ、いいけど。いや、よくないか)。
逆に言うと、マルシルがこの世界では異常なほどに情が深いとも言えるかもしれません。実にエルフらしくないw いやあ、やっぱ俺、一番好きだなあ、マルシルのこと。やっぱそこは「ワンピース」大好き人間ですからね。仲間の絆は金や打算じゃなく、情で繋がってなくちゃダメでしょう。特にこういう冒険モノでは。打算で繋がってる奴に背中預けられるかよ。
ただ一方、こうも言えると思います。マルシルとファリンはどうやら深い友情で結ばれているようなので、救出の対象がファリンでなかったとしたら、マルシルも動かなかったかもしれない。
で、今回の料理は魔力切れを起こしたマルシルが魔力を取り戻すため、ウンディーネを飲むという…。
飲みますか!アレを!
いやあ、マルシルもさすがにライオス一派だなぁw
というわけで、なんとかウンディーネを捕まえて火で沸かして討伐。なんとお湯になったウンディーネをシチューにして食べるという、実に美味しそうなものでした。なるほど。
その甲斐あって、無事マルシルも魔力を取り戻し、ファリン救出の旅は続きます。