「little forest」という映画を観てきました。「あまちゃん」のゆいちゃんでもお馴染み、橋本愛主演の映画です。いやー、ものすごく素晴らしい映画でした!これは超お勧めです! 派手な展開を期待する人には不向きですけど、映画に音楽を含めた映像美や旅を求める人には響くものがあると思います。
小さな村の中、自然の中で一人で自給自足して生活する女の子の話。橋本愛が山の中で畑を耕して、そこで採れたもので料理を作って自分で食べるわけですね。TOKIOの「鉄腕ダッシュ」を女の子がやって、バラエティ番組ではなく映画にしたもの、と言えばイメージが沸くと思います。また、どことなく隠遁生活のような感じがあって(まぁ、言ってみればこの子は都会に敗れて田舎に引っこんでるわけで、その意味では隠遁生活なんだけど)、その感じはちょっと「月とキャベツ」の山崎まさよしを思い出してしまいました。春夏秋冬に分かれてる映画なのですが、今回は夏秋編。来年には冬春編があるのでそちらも今から期待大です!
で、さっきも言ったように、土地のもので料理を作り食べる、というのが主な内容なんですが、その裏にドラマを感じさせ、そしてドラマが垣間見える。何か響くものがありました。その感じは「昨日何食べた?」に酷似してて、思うに、料理って人間が生きる上で最もプリミティブな行為なわけで、その時間って多分、すごい素の自分が出ているような気がするんです。だから、大げさな言い方をすれば、そこにその人の生き様なり人生なりが投影されて、そこにドラマが垣間見えるだろうし、うまく作れば、その登場人物がじんわりと浸ってくるように感じられると思うます。
あと、特に「いいなぁ」と思ったシーンは冒頭ですね。自転車でひいこら言って坂を登りきった後の、坂を下る疾走感、浮遊感、爽快感! 本当に素晴らしく、α波が出るよう。空撮で浮遊感を出す映像はよくあるけど、おそらくは自転車に車載したであろうカメラの映像は目からウロコですねー。
映像もやり過ぎない感じがすごくスタイリッシュだったし、濃い緑が風になびく静かなダイナミズムはすごく清新でした。まるで森林浴をしているかのごとく、精神が洗われる映画でしたね。音楽もとても良く、フォークトロニカは自然にホントに合う。
最近は精神的にも肉体的にも疲れることが続いていたので、この映画を観て本当に良かった。この映画を観るのは自分にとって必然だったようにすら思えます。