「YUKIHIRO TAKAHASHI LIVE 2018 SARAVAH SARAVAH!」を観ましたあー!
教授が音響監修した109シネマズプレミアム新宿で幸宏のライヴ映画をやるという、非常に意味を感じる上映のような気がしたので、絶対に観たかったですからね。
そんな、特別な映画館での特別なライヴ映画は、やはり特別な、最高のライヴでした!
予告編
今度はラグジュアリー映画館を堪能
前回、教授の映画を観た時は、映画館のルールを知らずにドリンクとポップコーンを貰い損ねてしまったのですが、今回は抜かりなし! 時間を十分に取って行ったら、十分に取りすぎて入れませんでした。
なんでも、入場は上映の1時間前なのだそうで。なるほどね、と思いました。上映前1時間限定ということなんですねー。そりゃそうだ。上映後って結構興奮したり、感動したりしてるじゃないですか。そういう状態で上映後もフリーポップコーン・フリードリンクにしてしまったら、いつまでもいついてしまって、邪魔。だから(多分)上映前一時間限定なんですね。しかも一時間っていう枠を設けてるのもポイントですよね。
でも、おかわり自由なので、アイスコーヒーを2杯飲みました。ポップコーンはキャラメル味Lサイズを頼んだのですが、後半甘すぎて一人TVチャンピオンみたいになってしまいましたね。ポップコーンは塩に限ります。あと、M寸で十分かな。
座席の方は、前回の反省を生かし、端から5番目、そして最後尾の列をチョイス。これがまた良かった! スクリーン全体が見渡せるし、やはり席は真ん中に近い方が良い。めちゃくちゃ見やすかったです。そして映画の方なんですが、前回同様、教授からの映画館の音響に対する挨拶があって、いよいよ始まります。この教授から幸宏の流れが、やっぱり良かった。
最高のライヴ映画!
そしてライヴの方はと言いますと…。
「うーわ! カッケェ…!」
と思う瞬間が何度もありました! それくらい、もうメンバーはすごいし、それにやっぱり良いアルバム! これデビューアルバムですからね!
それに、やっぱり音が良い! さすがに教授が監修しただけのことはあります。
そして幸宏が、オケはそのままにボーカルだけ録り直したい、と言って作ったセルフカヴァーアルバムだけあって、幸宏のボーカルも素晴らしかった!
もちろん、若かりし頃の幸宏のボーカルも良いんですけど、この頃、つまり2018年の幸宏が、ボーカルという点では最盛期だったかもしれない。
幸宏の、元々持ってる声質、独特の歌い方に加え、声がすごく強いように思いました。若かりし頃はいくつものスタジオを掛け持ってドラム叩きまくってて、医者(確か)から「鋼のような肉体」と称されたこともあるそうです。そういった、元々の体の強さがある上に、長年歌ってきたことによって喉も鍛えられただろうし、更に経験も積み重なって、完成の域に達したのでしょう。
それに、ライヴというのも良かったように思います。やはり演奏は、特に歌はレコーディングされたものよりも、生のパフォーマンスの方が勢いがあるし、面白い。
MCも結構収録
あと嬉しかったのは、MCが多かったことですね。こういうライヴ映像とか映画って、大体MCはカットされちゃうじゃないですか。そこが結構「ライヴ感」を削いじゃうし、何よりファンはMCも聞きたいから、すごく残念に思うんですよね、そういう編集って。
でも、この映画はちゃんとMCも多めに取ってくれました。ここが嬉しかった!
もちろん、全部を収録してるわけじゃないけど、かなりMCの比率が通常のライヴ映像や映画に比べて各段に多かったように思います。
特に幸宏はMCも良いし、その時の佇まいもカッコいい! 多分、編集を担当した人もそこを分かってくれていたのではないでしょうか。つまり、それくらい、幸宏のMCは良いし、カッコいい!
バンドメンバーもカッコいい
また、そんなライヴを収録したカメラワークも素晴らしかったです。
それぞれのバンドメンバーであるアーティストの捕え方が、本当によく分かってるという感じで、みんなカッコいい!
また、これだけのメンバーを揃えたからか、幸宏だけに偏ることなく、割とバンドの表情も数多く映していました。それがかえって「幸宏のライヴ」感を再現していたように思います。
それに、やっぱり幸宏って友達多いんだなぁ、って思いました。一声かければこれだけ集まる。思えばMETAFIVEもそうでした。幸宏曰く、METAFIVEは「たまたまみんなスケジュールが空いてた」そうなんですが、まりん曰く「言いますけど、みんな空けたんですよ。このメンバーが全員揃って、たまたま空いてるわけないじゃないですか」。そういうことです。みんな、幸宏のために時間を作るのです。
ついでに言っちゃうと、この日の出演者全員お洒落でした。さすが幸宏バンド。コーディネイトも幸宏がしたのかな?
カクトウギセッション?
そして今回のバンドは、個人的には「ツイン」をテーマとして観てしまいました。
というのも、各楽器が二台編成なんですよね。
最初からキーボードは二人だし、金管楽器は幸宏の盟友とも矢口博康と、幸宏バンドの音楽職人である権ちゃんの二人、ドラムは幸宏も途中でもちろん叩くからツインドラムになるし(林立夫とのツイン!)、後からゲストで細野さんが来て、ツインベース。ギターだけ一人だったけど、その一人が佐橋佳幸という豪華さ(バンマスでもあったらしい)。
そんな感じで、ほとんどの楽器はツインになり、その感じは教授の「カクドウギセッション」を彷彿とさせました。
教授登場!
その教授は途中、ニューヨークからビデオメッセージで登場!
会場のスクリーンをカメラで映すだけではなく、映像自体を映画館のスクリーンで映してくれたのも嬉しかった。こういうところも、ライヴ感ありましたね。映像の中の映像じゃなくて、実際のライヴでも使われた映像そのものを流してくれる。
教授が「メジャーキーのところをマイナーの音階で歌ってたのを(幸宏が)直したかったっていうのは当時から聞いてました」という、radio sakamotoでの二人の対談でも話題に上ったエピソードも披露。
そして激ムズ曲「Erastic Dummy」(超カッコいい!)が難しくて、もう今は弾けない、というこれまたradio sakamotoでの対談でも話題になったことを言ってました。
ただ、教授曰く、難しいのはあのキーボードソロではなくバッキングだと言います。非常に細かくリズムに合わせて弾いているらしいんですね。
そして続けてその「Erastic Dummy」の演奏になるのですが、キーボードソロは、おそらく当時の教授のもの(おそらくレコーディングのマスター)が使われていたと思います。だって、キーボード二人とも弾いてなかったから。
その他の曲でもストリングスが当時のものと思われるものが鳴っていたり、「再現ライブ」と言いつつ、音源をそのまま流していたと思います。そういったところは「YMO」らしいな、とも思いました。
あのキーボードを弾けなかった、というのも考えられますが、多分、幸宏の教授に対するリスペクトというのもあったと思います。
教授のソロはそのまま使いたいし、教授アレンジのストリングスもそのまま使いたい。そういうのがあったような気がします。
そういった意味で、残念ながら教授はこのライヴ自体には参加していなかったんですけど、「若かりし頃の教授」と擬似的な共演をずっとしていたわけですね。ひょっとしたら、そこも狙っていたのかもしれない。
細野さん登場!
そしてその細野さんも登場! 先ずは幸宏と楽譜との間を無理矢理通ろうとするボケを一発かまして幸宏に止められ(この感じ最高!)、そしていよいよベースを弾きました。
やはりこの二人は良い!
細野さんの出番は二回でした。上記のように一回ライヴの最後の方に満を持して登場して、最後にもう一回「Saravah!」のアレンジ違いで登場。
このアレンジがまた良かった! アコースティックアレンジから始まって、それから通常のバージョンに入っていったのですが、このアコースティックのパートが良かったんですねぇ。曲の良さ、そしてボーカルの良さがよりわかるというか。何よりカッコ良かったし。
やっぱりYMOはすごかった
前回の教授のピアノコンサート映画に続き、今回は幸宏の映画ライヴ。そんなに間を空けずに、しかも教授音響監修の映画館で、続けてYMOメンバーのライヴを観るというのは、非常に贅沢な体験だったと思います。
ピアノ一台、大人数バンド編成と、形としては真逆なライヴだったわけですが、真逆な故に、この二人が同じバンドにいたということに思いが至ると、その振り幅を強く感じることができて、バンドの懐の広さを感じ、やっぱYMOってスゲエバンドだったんだな、と改めて思いました。