azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ネタバレ有り感想。わけわからん、と思いきや実話ベースと知って驚く!!


タランティーノ×ディカプリオ×ブラピということで、「観るしかないでしょ!」となり、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観たのですが…なんだかわからなかった(^^;;

でも、すごくカッコ良かったんですよねー。60年代のアメリカの感じ、ファッション、そして音楽。全てがカッコいい。

でも、なんか支離滅裂っぽかったし、ラストも無理矢理な感じだったし。でも、そのわけわかんなさが逆に気になり、映画.comのレビューを読んで気になる単語を発見し…。

知ってるのと知らないのとでは、その理解度が格段に違ってきてしまう映画ってありますよね。

観る人の知識量に依存する映画(最近では例えば「ジョーカー」がそうらしい)ってどうなの?と思う反面、逆にそういう映画って、「知ってる」と知識量に依存しなくても楽しめる映画よりも深く観ることができて、印象にも残るので、そこらへんは難しいところですね。

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なんだかわからない映画だったけど、とにかくカッコいい

何がやりたいのかはよくわからないが、何をやりたくてこの映画を作ったのかはよくわかる不思議な映画、と同時にやはりタランティーノはアホだな、ということがわかるバカ映画、というのが予備知識なく観終わった時の印象でした(いやー、バカは俺だねw)。

タランティーノは映画オタクだと思うけど、自分でも西部劇が撮りたい、60年代のアメリカが撮りたい、という思いで作ったのだろう、と思ってました。

また、全編を通してカッコいい60年代の音楽が流れるのと、全編を通して映像がカッコ良かったのと、全編を通してブラピがカッコ良かったのと、全編を通してプリオが可愛かった、というくらいしか印象に残りませんでした。

なんだかわからないけど、とにかくプリオがかわいい

この映画で特に気に入った点は、プリオが一念発起しようと西部劇の映画で悪役に臨んだところ。

子役の女の子との絡みがですねー、非常に微笑ましくてw

ここのシーンがあることにより、後の劇中映画撮影のシーンで、悪役と被害者での二人の演技が非常に味わい深く観れるんです。「今、この悪役は随分悪い感じだけど、さっきこの子の前で我が身の人生を振り返って泣いちゃって、慰められてたよなぁ」とか思うと笑えるw そしてまた、演技後の二人の交流が非常に良い。女の子に演技を褒められ、目に涙を「溜める」(流さない)プリオが、なんか良いんですよね。

また劇中映画の主役とのシーンも、本番と同じように西部劇をスクリーンに映すんですけど、途中プリオがセリフを間違え(後で楽屋で荒れまくるのもまた面白い)、リテイクを申し出るが受け入れられず、そのまま続けたりと、虚実が入り混じる。この緊張と緩和の差が非常に笑えて面白かったですね。

そしてまた、この虚実入り乱れるところも当然のことながら全部演技で、その更に向こう側に本当の現実の撮影風景があるのだなぁ、と思うとまたまた味わい深い。そうやって、二重三重の多層的な世界観は、観ていて楽しかったです。

で、その虚実入り乱れる感じってのは、プリオの演技の上手さが土台となっていると思うんです。演技が上手いから、虚と実が曖昧になる。

特に泣きのシーンでは、この人は非常に自然に目に涙が溜まるんです。さすがだ、と思いました。

ブラピがカッコいいのはよくわかる

ブラピはですねー、もう、ホンット、カッコいい。この映画ではブラピの「役者としてのビジュアル」面を全面的に押し出した映画ですね。

ディアドロップのサングラス、割と無口で控え目な役柄、それでいてどこか不遜、そして五十代にして維持されているビルドアップされた肉体美。

もう、むちゃくちゃカッコいい!

特に、ヒッピーの女の子に連れて行かれた旧西部劇のセットでは、それこそ西部劇さながらの緊張感とカウボーイのようなブラピのカッコ良さにシビれましたね。

そして、なぜここのシーンがこんなにも緊迫感があったのか…、後々わかることとなります。

でもプリオの方がデカいんですよね。

なんだかわからないけど、とにかくグロく、とにかくハッピーエンド

そして、最後のアクションシーンはタランティーノ特有の残虐にしてグロさを全開に出していて気持ち悪かったです。こういうところもタランティーノは描きたかったのだろうから仕方がないと言えばそうなのだですが、グロかったですね。

そして最後は取ってつけたようなハッピーエンド感を出していたが、それもまた良かったなぁ、とその時は思ったし、今でも、それで良かったかもしれない、と思っています。

最後のお隣さんとお交流で、プリオは映画界の中心に復帰できるかもしれない、ということを匂わせているように僕は思いました。まるで夢のようなラストかもしれません。

後々調べてみたら実話ベースだった

でも、あまりに不思議な映画だったから、その後映画.comのレビューを読んでみたんです。

すると、幾つかの投稿に「マンソン・ファミリー」なる記述がありました。どれも詳細は書いていません。

調べてみたら、マンソン・ファミリーとはアメリカのカルト集団で、その集団が映画にも出てくるシャロン・テートを殺害するという事件があったそうなんです。

映画を観る前はその事件のことを知らず、全体的にはわけのわからない支離滅裂な構成だなぁ、と思っていたんです。しかし、その事実を知ると一気に変わって見えました。

先ほど言ったブラピの西部劇セット跡地のシーン。なぜ、あのシーンが非常に緊迫感があったのか。あの場所は、マンソン・ファミリーのアジトで、ヒッピーの女の子たちの中には、後々殺人事件を起こす面々も含まれていたのです。

更に調べてみると、この映画はその史実を丹念に忠実に時間軸をなぞっていってることがわかりました(どうりで、やたら時間を画面の端に出してたわけだ)。

但し、ラストの結末以外は。さっきも言ったように、この映画はハッピーエンドで終わります。史実にあった殺人事件は行われません。

思うに、タランティーノはあまりにも映画オタクで映画が好きすぎるがために、この事件の事実を捻じ曲げてしまったのでは、と邪推してしまいます。この事件が許せなかったのだと。

殺害事件は行われず、犯罪者は主役二人によって返り討ちに遭い、物語はハッピーエンドで終わる。

これは映画オタクのタランティーノによる、そうあって欲しかったという、ハリウッドの寓話なのです(少々残酷描写に過ぎるが、それほどまでにタランティーノは犯人を憎んでいることの裏返しでもあるかもしれない)。

だからタイトルが『昔々、ハリウッドで、』となっているのかと。

史実を知った後、もう一度観たいかもしれない。

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