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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「鬼滅の刃」第十六巻ネタバレ有り感想。急転直下、怒涛の展開てんこ盛り!!


鬼滅の刃」全巻感想というこのマラソン企画も遂に第16巻となりました。

そして、物語が大きく動きます。

もう最後のクライマックスか、という勢いですが、残りの巻数(全23巻)から考えて、多分その一つ前の段階の、主人公に立ち塞がる壁、といったところではないでしょうか。

おそらく、本当のクライマックスはもう一つ後にあると思うのですが如何に?

そしてこの巻は主に三つのパートに分かれていました。

1.特訓パート
2.鬼舞辻の急襲パート
3.しのぶさん戦闘パート

なんですけども、1から2のジャンプが凄まじかったですね。

まさに急展開! 風雲急を告げるとはまさにこのこと!

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修行は部活の合宿感の一方で善逸は…

先ずは前巻からの続き、柱稽古なんですが、「稽古」という響きから来る生易しいものではありません。「地獄の特訓」です。「修行」と言っていいでしょう。

今回は入道柱こと、玉ジャリジャリ親父こと、岩柱の悲鳴嶼さんのとこで修行です。

もう、これがパワー全開の力修行で、多くの人が「修行」という響きから想像するようなステレオタイプな修行となっております。

滝に打たれ、丸太を担ぎ、岩を動かします。

ね? 「修行」でしょ?

善逸なんか、説明を聞いただけで気絶します。

しかし、悲壮感や絶望感はあまりなく(やってる本人たちはあるだろうけど)、同じような年代の男子たちが寝食を共にし、修行の辛さを(割と楽しげに)語らう姿は、どことなく「部活の合宿」を想起させます。

そんな中、炭治郎は魚を焼いたりお米を炊くのが抜群に上手いことがわかり、みんなから「お袋」というあだ名をつけられてしまいます。

同世代の男子にお袋って…。

そしてこの修行の中で悲鳴嶼さんの弟子(継子ではないらしい)であるところの玄弥によって「反復動作」なる「呼吸」に継ぐ新たなスキルがもたらされます。

こうして炭治郎たちは更なる成長を成し遂げるのですが、その一方、何やら善逸に動きがあります。

善逸の雀から手紙をもらうのですが、そこにはどうも、善逸の秘めたる目的に関することが書いてあるらしいのです。

善逸がどういう思いで鬼殺隊にいるのか、そこはまだ明確には語られていません。

いつになくシリアスな善逸の過去は、次巻以降語られることでしょう。

悲鳴嶼さんの話

そして今回、悲鳴嶼さんの過去が語られます。

前回の鬼との戦いの話を聴き及んでいたのか、炭治郎のことを「認める」って言うんですね。鬼である自分の妹を見捨て、里の者を助けるとは剣士の鑑だ、というわけです。

まぁ、悲鳴嶼さんは勘違いをしていたのですが(決断できずにいる炭治郎を見かねて、禰豆子が炭治郎を突飛ばして里の者を助けに行かせた、というのが事の真相)、その勘違いを訂正して「認めないでください」と正直に言う炭治郎に、むしろ更に感服します。

この子供は他の子とは違う、というわけです。

悲鳴嶼さんは子供という「生物」を看破していたんですね。

よく、子供というと、純粋で汚れを知らない無垢な、天使のような存在、みたいに語りたがるじゃないですか、みんな。

でも、天使って割と簡単に堕ちるらしいですからね(^^;;

現実の子供も同様です。確かに無邪気で純粋です。でも、それは良いことばかりではありません。

無邪気で純粋ということは、裏を返せばまだ何も知らないということです。何も知らない故に、平気で人を傷つけたり、いじめたり、場合によっては嘘をついたり、まぁ、そういう色々と悪事を働きます。

そういう子供の残虐性を、悲鳴嶼さんはある事件をきっかけにして知ったんですね。

細かい話は割愛しますが、まぁ、ざっくり言ってしまうと、一人の子供の裏切りで一緒に住んでいた身寄りのない子供たちと悲鳴嶼さんが鬼に襲われてしまうんです。

悲鳴嶼さんは必死になって鬼と戦ってなんとか勝つんですが(強ぇ)、女の子一人だけしか助けることができませんでした。

そして、その助かった女の子に、子供たちを殺したのは悲鳴嶼さん、みたいに言われてしまうのです。

それで悲鳴嶼さんは逮捕され、処刑を待つ身となったのです。そこを助けたのが産屋敷のお館様なのです。

まぁ、この女の子の証言の真相は、全然違ってたんですけどね。事実をありのまま話そうとしてたんですけど、ショックが大きすぎてうまく喋れなくて、こんなことになってしまったわけなんですが。

そんな感じでですね、子供の生態をあまりに残酷な形で知ってしまったわけなんですが、そんな悲鳴嶼さんだからこそ、炭治郎の本質を見抜くことができたんでしょう。

その子供の一件以来、悲鳴嶼さんは疑り深くなってしまったそうです。もちろん、疑り深いのはそんなに良くないことなのかもしれません。

でも、こうも思います。一旦、人に限らず物事を疑い、そこから自分なりに考察を加えたり観察したりして判断するのは、そう悪いことではないのではないか。

特に、悲鳴嶼さんの場合は色眼鏡で見ることはしていないように見えます。

疑い、観察し、考察し、そして色眼鏡なしで判断する。悲鳴嶼さんはそういうことができる人なんだと思います。

逆に不死川の兄貴の方は、たまには色眼鏡を外した方がいいと思う。

義勇さん、実はかわいいか?!

で、悲鳴嶼さんの修行が無事修了した炭治郎が次に向かうのは義勇さんとこでの柱稽古です。

ここは小休止というか、箸休め的な場面で配分も短いんですけど、まぁ、義勇さんと不死川の兄貴が戦ってるんですね。柱同士の稽古で。

でも、不死川の兄貴は殺気満載だし、何より偉そう(に見える)な義勇さんが大嫌い。

そんな不死川を鎮めようと、炭治郎は不死川の好きなお萩を作る、と申し出ます。でも、不死川は自分がお萩好きなことはあまり触れて欲しくないんですね。硬派で売ってる自分が甘いお菓子好きだとイメージが崩れるからだと思うんですけど。

で、不死川のお萩好きを知った義勇さんはそんな不死川の本心に気付かず、次回からは懐にお萩を忍ばせて、不死川にプレゼントする、ってんです。炭治郎も、それ良いアイデアですねー、て賛同するんですけど、いやいやいやいや、火に油を注ぐようなもんだろw

なんか、義勇さん、って天然なのか?w

なんとなく炭治郎とウマも合いそうだし。

そうそう、後のエピソードで義勇さんは炭治郎と共闘するんですけど、なんか、相性が良い感じなんですよね。

同じ天然同士、相通ずるものがあるんでしょうねw

鎧塚さんところ出身の鬼殺隊は、割と天然が多いのかもしれませんね。

ってことは、錆兎も…。

まさか、鎧塚さん本人も…。

いきなりの急展開

で、割とほんわかムード(って程には、ほんわかもしてませんが)で進んできたこの巻に、いきなりの衝撃が走ります。

なんと、鬼舞辻がいきなり産屋敷亭に乗り込んでくるのです!

これには意表を突かれた。いきなり主人公側の本丸に敵のラスボスが乗り込んでくるとは! こんな展開見たことないかも(多分)。

ややもすると、ちょっと拙速とも思えるこの展開ですが、読者に衝撃を走らせるには効果的抜群!

そして、産屋敷のお館様と鬼舞辻の対決の中で、秘められた真実が明るみに出ます。

先ず、産屋敷のお館様と鬼舞辻は元は同じ血筋だったというのはびっくり。今はもうかなり遠くなってしまったようなのですが、かつては近い間柄だったのです。

皮肉にも、鬼となった鬼舞辻がその長すぎる人生を謳歌している一方、産屋敷家は鬼を出してしまったことにより呪われてしまったんですね。

その呪いを解くための戦いだったのです。

もちろん、お館様がそれまで戦っていたのは、罪の償い、という意識もあったと思います。一族の者が犯した罪は自分の罪、という意識があったように、その言葉の端々からは感じられるように思います。

もう一つ新たにわかったことは、鬼舞辻が死ぬと他の鬼も全て死んでしまうようなのです。

しかしそのことがどうやってわかったのかは、まだわかりません。しかし、鬼舞辻自身もそのことについては自覚的でした。ということは、鬼舞辻が鬼を作るとき、「そのように」作っているのかもしれません。

産屋敷の作戦は女性作家ならでは?

そして、遂に鬼舞辻がお館様に手をかけようとした時、産屋敷亭は大爆発を起こします。

その時、産屋敷亭にいたのは、お館様と鬼舞辻の他には、お館様の妻と子供二人。

つまり、お館様は鬼舞辻を倒すため、油断させるため、自分の妻と子を道連れにしたのです。

思うんですけど、この物語的発想って、女性作家ならではだと思うんですけど、どうでしょう?

女性って、というより、母親って、父親、つまり男に比べて、自分の子供をより「自分のもの」と捉えているようなところがあると思うんです。

それは、お腹を痛めて子供を産めるから。

それは「自分のもの」=所有物という図式も成り立たないわけじゃないと思うんです。

これは超個人的なものの見方なんですけど、男の側からすれば、妻は基本的には血を分けていない他人だから巻き添えにするってことは、頭では理解できる。

でも、血を分けた子供を巻き添えにする、って考えはちょっと理解の外にあります。

だけど、もし、女性が「子供=自分の所有物」という考えがあるのならば、こういう発想が出てきても不思議はないかな、と思うんです。

自分のものだから、自分の思い通りにできる。思い通りにしてもかまわない。

何か、この、お館様の家族もろともの自爆作戦には、そういうところがあるような気がします。

しのぶさんはどうなるのか

お館様の作戦は功を奏し、あの鬼舞辻が焦ります。ここまで追い詰められた鬼舞辻を見るのは初めてです。

そこから、まさかの珠世さんが鬼舞辻を捕らえます! ここで出てくるか! ここもまた意外でした。しかも、珠世さんは鬼を人に戻す薬を開発したと言います。それを鬼舞辻にブチ込んでるわけです。

更に岩柱・悲鳴嶼さんも応援に駆けつけます。他の柱たちも次々に駆けつけますが、鬼舞辻の下僕である琵琶の鬼の能力で全員異界へと落とされてしまいます。一気に形成逆転です。

そこで、しのぶさんは仇である上弦の鬼と対決します。

しかし、しのぶさんの攻撃はまるで通じず、鬼にいいようにやられて万事休す。

しのぶさんの最後の攻撃で次巻!ということになりましたが、多分、しのぶさんは勝てずにやられてしまうんでしょう。残念ながら完全にそういう流れです。

というのも、しのぶさんには継子のカナヲがいます。多分、カナヲがこのスカしたイケメン鬼を倒すのだと思います。

なぜなら、しのぶさんはカナヲにこの鬼の倒し方を教えていたのだから。

思うんですけど、継子がいる、ってことは、多分その柱は鬼には勝てないってことなんでしょうね。

だって、そうじゃなければ継子いなくていいんだもん。もし、柱が鬼を倒せれば、特に必然性がある存在じゃないですからね。

なんか、次巻が早く読みたいような、読みたくないような。そんな感じ。

 

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