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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「花よりもなほ」ネタバレ有り感想。時代劇の新機軸!!

マジでいい映画でした

 

今、一番好きな映画監督と言ってもいいかもしれない是枝裕和 。早くも最新作が公開されました。「花よりもなほ 」という映画で、仇討ちをしようとする若い侍の話です。

 

いや、良かった。マジ良かった。さすが是枝裕和。時代劇の新機軸を打ち出したかもしれません。まぁ、なんと言うか、すごく生々しい生活感に溢れています。すごくリアルな感じ。こういうところは是枝裕和ならではのところかもしれません。是枝裕和の作品って、すごく生々しいんですよね。ドキュメンタリーか、ていうくらいの勢いで。そのリアルさで観客を映画という「現実」の中に引きずり込むような感じです。もう、最初の長屋がすごい。軽く坂になってる所に傾きかけた家がひしめき合ってるような感じで、もうハッキリ言ってズッタボロ。更にそこに住む人たちも生活感に溢れすぎています。生の活力が溢れているというか、まさに混沌ですね。混沌にこそ生の力強さがあるというか。思えば「誰も知らない 」も「家庭内サバイバル」とでも言うべき混沌の中での生の力強さを描いていたような気がします。とにかく、所謂「時代劇」の「こぎれいな」長屋とは全然違います。「ホントはこういう感じだったのかな」と思わせるような、説得力すらあります。

 

しかし、今回の映画はそれまでの是枝裕和の映画と違い、ドキュメンタリータッチではなく、かなり映画っぽい作りになっています(変な言い方ですが)。また、是枝裕和の作品って結構シビアなものが多かったのですが、今回のは楽しい映画です。その楽しさもクドカンの作品みたいにスゲエ笑えるっていうのではなく、半笑いの笑いです。その感じもなんか、いいかなぁと。

 

役者もすごくいい人ばっかり出てて。基本的には仇討ちをしようとする若侍を中心に描いているのですが、他の人物もきっちり描かれていて、群像劇という面もあると思います。みんなすごく良かったのですが、特に進之助という子供がいるのですが、その子がホントかわいい! 歩き方から走り方までホントかわいくて、しかも、演技もいい! 最近の子役はホントにいいですね。

 

それで、いい台詞もいっぱいあって、特に僕が印象に残っているのは「桜は来年も咲くのを知ってるから潔く散れる」というものです。武士の最期は桜の花のように潔く、というのを受けての台詞なのですが、何か、やさしさっていうか、そういうのを感じて、いいなぁと。

 

それから、この話、最終的には恨みとか心にある負の部分を良い方向というか、正のものへと変えていくのですが、それがすごく良くて。憎しみの円環を断ち切るというか。それって、すごく難しいことだと思うけど、すごく素晴らしいことだと思う。

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