azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「PSYCHO-PASS Sinners of the system case.2 First Guardian」ネタバレ有り感想。とっつぁんカッケェ!


PSYCHO-PASS Sinners of the system case.2 First Guardian」もね、2019年アニメの傑作の一つとして挙げてもいいと思います。映画としては短編の、Sinnersシリーズの第2作。

国の機関の各省庁の覇権争いにより、行き過ぎた武力とその誇示のために人を捨て駒にした人間たちに対する復讐の話、と僕は解釈しました。

今回、人物関係が様々な機関をまたがっていたりして、ちょっと話が複雑だったかもしれなかったですけども、case1よりも重厚だし、面白かったと思います。やはり主役が違うだけでこれだけ話に深みが出るのか、という感じですけどもw

いやそもそも、3つの中では一番良かったと思ってます。

そんなcase2の俺的見所はこんな感じ。

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予告編

www.youtube.com

制作スタッフがとっつぁんに忘れ物を届けさせた

まず、この映画は何と言っても征陸のとっつぁんですよ!

やっぱとっつぁんカッコいいなぁ。

とっつぁんは、刑事を続けていくと正義や信念にぶつかる、っていうことを須郷に語るんですが、この言葉はcase1での霜月の振りかざす正義とは全然重みが違っていましたね。

様々な痛みを通ってきた人の言葉として、作り手が重く響かせたのだろうと思います。


とっつぁんの重みのある人物描写として、青柳監視官のとっつぁんについての人物評を須郷に話す場面なんかもあって、周りからも丁寧にとっつぁんというキャラクターの深さを描いていってました。

そしてまた妻への申し訳なさと息子への愛情を語る場面もあって、ここでとっつぁんというキャラの重みが頂点に達するように思います。

この映画では舞台を沖縄にした理由は様々あると思いますが、とっつぁんの舞台は沖縄でなくてはいけなかったんでしょうね。

なぜならここには残してきた妻がいるのだから。とっつぁんと奥さんが再会して、胸の内を吐露するシーンは製作者が描きたくて、ようやく描けた場面だったのだと思います。何か、忘れ物を届けにきたように思えて、ここのシーンは特に深く響きました。

一期の登場人物があの時のまま多数出演!

そしてとっつぁん以外にもですね、執行官としての咬噛が見れたのが嬉しかった。

それに、縢! 縢がまた見れるとは思わなったので本当に嬉しかった。前情報はほとんど得なかったので、縢の登場は全く予期しておらず、びっくりしたし、すごい嬉しかったです。

やはり彼の存在は本当に大きい。キャラクターのバランスから言っても非常にアクセントになっていると思いますし。

また、絶賛反抗期中の伸元も面白かった(笑) やはりPSYCHO-PASSの核はこの四人だと改めて思いましたねぇ。俺が観たかったPSYCHO-PASSをようやく観れた感じ。

一期の後、テレビとか映画で続編が色々作られたけど、面白くはあるんですが今一つ…。めちゃ金と時間をかけて作られた壮大で面白い蛇足、といった感じ。でもこのcase2だけは違います。正統なPSYCHO?PASSの続き、といった感じ。

まぁ、正確には一期の期間中の話だから、続きではないんですけど(^^;;

そして今回も咬噛ととっつぁんはキレてましたねぇ。あと、青柳さんも久々に見れて、メインを貼っていたのが良かった。彼女も非常に魅力的な登場人物。

せっかく沖縄に来たのだからととっつぁんを妻のいる実家に帰させる青柳さんは本当に男前。実家に帰ったとっつぁんにキレまくる伸元を叱る青柳さんもまた姉御肌でカッコ良かった。

あと忘れちゃいけない今回の新キャラ(だと思う)・須郷もとてもいいキャラクターだと思います。今後の活躍が期待大だったのですが、PSYCHO?PASS3では全然出てこなかったですね…。

それにしても、前々から思ってたんですけど、この作品では色相の濁ってる人の方が魅力的。

色相が濁るということはそれだけ人間的ということだからだと思います。だから、監視官の人間はつまんない奴が多い。青柳さんはかなり例外的。

投げかけられた問いかけ

冒頭でですね、大友逸樹が戦争について「シビュラが許した殺人」っていう風に語るんですけど、その言葉と征陸のとっつぁんが刑事について語った「機械の命令で人を殺すろくでもない仕事」という言葉が繋がっているような気がするんですよね。

そして二つの発言は共に須郷に対して語られた言葉だったので、やはり共通性はあるのかなと。須郷に「国が認めた人を殺す職業」について、考えろ、ってことだと思います。そして須郷はこの物語の語り部というか、視点なので、それは取りも直さず、観客である我々に対する問いかけであるんですよね。

AIが台頭している今、何か予言めいてもいるし、シビュラや機械を「政府」や「国」と言い換えてもいいような気もする。

じゃあ、人の命令じゃなく、自分判断で殺していいのか、という問題にもなるし、トップが止む無し、と判断すれば何の躊躇もなく殺さなくてはいけない人の魂は汚れるのか否か、ということにも繋がってくると思う。ここは更に死刑制度にも繋がってくるような気もします。

「一人殺せば罪になるが、大量に殺せば英雄」という戦争を揶揄した言葉にもどこか通ずるものがあるようで、戦争の不条理性を言い表しているというか。

実はすごく難しい、現状の我々市民には遠いような、それでもやはり考えなくちゃいけないような、重い問いかけを投げかけれているのかもしれません。

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