「ゴジラvsコング」をですねー、アマプラで観ましたー。
前作が酷かったので、もう全っ然期待していなかったのですが、なかなか面白かったです。
これ、結構好きですね。
まぁもちろん、不満に思う点も多々あったのですが、全体的には「やっぱハリウッドすげーなー」と思わせるに十分な作品であったと思います。
予告編
脚本がちゃんとしてた!
ストーリーはちゃんと一本筋が通っていましたねー。
「メカゴジラを開発したことにより、危険を感じたゴジラがそれを壊しにくる」という大枠に、「コングに地下世界にあるメカゴジラを動かすためのエネルギー源を探させる(地下世界が巨大怪獣の故郷で、帰巣本能を利用する)」という小枠を乗っけ、更に「コングに安息の地を提供する」という一番の大枠を設定する、という多層的な構造。それでいて、わかりやすいストーリーとなっていました。
調べてみたら前作とは監督が変わっていましたね。前作でめちゃくちゃにした脚本や展開を、今回で少し戻した感じ。
ただ、前作同様、あまり人の日常は描かれておらず、それ故の絵空事感は強いままだったのは残念。
また、今回は明確に子供向けを狙った作品であることが感じられました。子役がキーとなり(無理矢理に)活躍させるストーリーは、むしろ昭和ガメラを彷彿とさせました。
子ども向けを大人が本気で作る
地球空洞説を使ってる点も、子供がワクワクするような仕掛けだと思うけど、ここは最近の子どもというよりは、昔子どもだったSF不思議大好きおっさんの方がむしろたまらないかもしれないですねw
あと、CGもすごかったですねー。その見せ方なんかは第一級であったと思います。さすがハリウッド。子ども向けと言いつつ、そういうところはもう、本気も本気ですよね。
ストーリーもしっかりしているので、「子供向けを大人が本気で作った」と言えるのではないでしょうか。
しかも、地球が空洞なら重力が反転するのは当然で、そういう設定面でもよく考えられているところが、子供騙しではない、大人の本気加減が伺えます。
ここ最近、平成〜ミレニアムの子供騙しゴジラを観続けていたので、非常に腑に落ちるとい言うか、観てて納得でしたねー。
意味のある過去作へのオマージュ
この作品も前作同様、過去作へのオマージュに満ち溢れていましたねー。
でも、前作が上っ面を撫でただけの底の浅いオタク風味でしかなかったものが、今回はちゃんと設定に生かされていると思いました。
メカゴジラの頭部にキングギドラの頭部を使用したのは機龍をヒントにしたものだろうし、もう一つのキングギドラの頭蓋骨をコックピットにして神経接続をする、というのは多分「メカゴジラの逆襲」からヒントを得たのではないでしょうか(或いはエヴァンゲリオンw)
このように、過去作にオマージュを捧げつつも、それをキッチリ物語や設定の中に落とし込んでいるところが上手いと思いました。
他にも、キングコングの輸送手段には「キングコング対ゴジラ」のものをそのまま流用し、往年のファンをニヤリとさせたりもしています(ニヤリ)。
やっぱCGはまだまだハリウッド
あと思ったのはですねー、CGがやはり物凄かったですね。
「ゴジラ−1.0」がオスカーの視覚効果賞を受賞しましたが、まだまだアクションというか、そういった見せ方も含めたところではハリウッドには全然敵わないと思わされましたねー。
そこらへん、先日見た「新プロジェクトX」内でも山崎貴やエンジニアたちは「勘違いしない」と言っていたんですね。そういった冷静な分析が、逆にさすがだなー、と思いました。一流は自分の立ち位置をしっかり把握できるんですね。
それから、CGだけじゃなくて、それと対応する人間のシーンも体張りまくりの大掛かりなセット作りまくりなところがすごい。
ちゃんと「生身」でも見せるところが今回の映画のすごいところです。そういう、CGと生身の役者陣の双方相まっての効果が迫力を生んでいました。
ここらへんの見せ方は「お見事!」と言う他ないです。
アメリカ人の思想が透けて見える?
また、前回濃厚に漂っていた中華色が今回だいぶ薄まっていたところも良かった点ですね。
最後の決戦の場が香港であったくらいだし、キャストもちゃんと日本人である小栗旬を使っていました。
ただ、小栗旬はほぼ活躍することがなく、アメリカ人の社長に言われるままだったのは残念。これでは、渡辺謙が演じた芹沢博士の息子というせっかくの設定があまり生かされていないようにも思います。
なんというか、アメリカ人の「東洋人は奴隷」という思想が透けて見えたシーンでもありましたねー。
不満点
不満といえば、今回もまた怪獣の擬人化が割と酷かったですねー。
特に朝のコングは最悪で、そこらにいる普通のおっさんにしか見えなかったです。まぁ、コングだからギリセーフと言って言えなくもないですがw
それでも、やはり怪獣を擬人化すると、一気に威厳がなくなってしまいますねー。
それに何と言っても不満だったのは、やはり今回の主役は完全にコングであったことでしょう。
最後のメカゴジラとの対戦もゴジラは良いところなくやられっぱなし。最後はコングの無双で終わった、って感じでした。
ここは非常にフラストレーションが溜まった。
そもそも、基本的にメカゴジラはゴジラのドッペルゲンガーでしょう? その自らであるメカゴジラはゴジラ自身が倒さなくちゃいけない。そうでなければメカゴジラの存在意義がない。
この点は、ミレニアムゴジラシリーズの「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」も同様の「ミス」が犯してしまっていますよね。あれはもう言い逃れようがなく、ゴジラがメカゴジラに完敗した映画ですから。
まぁただ、ラストのコング無双があるからこそ、ゴジラをコングに勝たせることができたのでしょうが。メカゴジラに圧勝したコングにゴジラは勝ったんだからいいじゃん、というエクスキューズが成立します。逆にコングにとっても、ゴジラに圧勝したメカゴジラ相手に無双したからゴジラに負けてもいいじゃん、という風にすることができます。
とはいえ、それにしても成立してないですけどね。やはりゴジラはメカゴジラに勝たなくちゃ。
あと、やっぱりメカゴジラの造形は日本の、特に初代が一番カッコ良かったですね。今回のハリウッドのCGせロボット化したメカゴジラも細部とか動きとかメチャかっこいいけど、やっぱり日本の、あの能面をヒントにして作られた初代メカゴジラは本当にカッコいいと思います。
しかしながら、そんな感じで不満があったり苦笑してしまったりするシーンも少なくはなかったですが、概ね満足な、「やっぱハリウッドすげえ」と思わせる映画ではあったと思います。
