azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

真ハリウッド版「GODZILLA」ネタバレ有り感想。ギャレゴジは大傑作ゴジラ映画!!


ハリウッド版ゴジラ

ハリウッド版新作ゴジラを観たんですが、期待通り良かったです。事前に今回のゴジラのデザインを見たら、ちゃんとゴジラだったので(当り前ですが(^^;; 悪しき前例がありますからね)、まぁ、そんな大ハズレはないだろうと思っていたんです。そしたら、まぁ、期待以上でしたね。

 

先ずはそのゴジラの造形なのですが、下半身にボリュームを持たせてあり、ずっしりと重量感に満ちたデザインになってて、重々しい、まさに「怪獣王」にふさわしいゴジラだと思います。基本的なスタイルはビオゴジを元に、背ビレや顔などはミレゴジを元にして作られたのではないかと思います。それで、表情や全体的な形の雰囲気、姿勢など、熊を思わせるものもありました。ゴジラって基本的には恐竜(多分ティラノサウルス)を元に作られたと思うんですけど、長年のマイナーチェンジを繰り返すうち、獣類というか、哺乳類的にもなってきました。モスゴジあたりからですかねー。そんなわけで、哺乳類と爬虫類の掛け合わせというか、どの生物学的な分類にも当てはまらない動物になりました。ゴジラゴジラ、というか、それこそ「怪獣」と呼ぶしかないモノですね。だから今回の、地上の肉食獣最強と言われる熊を想起させるデザインは正しいゴジラデザインの系譜の上に立っているような気がします。僕はカッコいいと思います。

 

ストーリーの方も、やや複雑なきらいはあるものの、人間のドラマもよく出来ていて、役者の演技も良かったですね。怪獣映画は人間側(役者・エキストラ)のリアクション8割だとも思いますので、その点、演技力のある役者を揃えたあたり、よくわかってるなぁ、と思います。ゴジラがなかなか出て来ないんですが、それまでの過程や人々のリアクション、状況などが非常に丁寧に作られています。周りの舞台をキッチリと作り込んで、主役を登場させる。寧ろ盤石の作りですね。こういう特に非現実的な話って細かい部分をリアルに描かないとホントにただの絵空事になってしまいます。観客を映画の世界に引きずり込むためには怪獣が出てくるまでちゃんとその世界を描く、リアリティを持たせる、ということがとても大事なんですね。そんなわけで、色んな意味で映画として傑作と言っていいと思います。

 

ゴジラ映画としましては、初代ゴジラ的なメッセージ性も込めようとはしている一方(込めきれているか、というと微妙ですが)、どちらかというと昭和対決路線ゴジラを志向しているように思います。正義のゴジラですね。ただ、それもまたゴジラの良いところだと、個人的には思います。実は僕はそれでゴジラを好きになったんです。ウルトラマンを観て育ちましたから、怪獣=悪者という先入観があったんですね。でもゴジラは怪獣なのに人類の味方だっていう。カッコいいなぁ、と思ったのがきっかけです。また、よく言われるように平成ガメラっぽいなぁ、とも思いました(^^;;(3しか観てないけど) ただ、今回のゴジラは劇中で渡辺謙が「自然界の調整役」と言ってましたが、おそらくゴジラ自身はそんな役割は全く意識してないでしょう。ゴジラは単に「気に食わない奴をブッ飛ばす」。そういう本能的なところで動いてたと思います。そこらへんが明確な役割を与えられ、それに従って行動する平成ガメラとは違うところだと思います。

 

ゴジラが人間を攻撃しないのも、逆に超然としていて良かったですね。上空からの俯瞰で、アメリカの空母と並走して泳ぐシーンはめちゃカッコ良かったです。人間になんて目もくれない。攻撃されたところで屁とも思わない。そういう超然としたところが自然の象徴のようにも思えました。でも街を通過すればビルもぶっ壊す、というところもまた自然の象徴。

 

また新怪獣登場には焦りましたね~。前情報がほとんどない状態で行ったので、今回は勝手にゴジラ一体だけの映画だと思っていたんです。そしたらいきなりMUTOが出てきたので、ホント「あれ~???」ってな感じで(^^;; 中島かずきのツイートに「騙された」とあったがこのことか!と思いました。ただ、MUTOのデザイン、アメリカ人がデザインしたものにしては、まぁマシじゃないですかね。若干の気持ち悪さはあるものの、割とカッコ良かったと思いますよ。新怪獣とのアクション(?)シーンもカッコよかったですねー! 歴代ゴジラの中でも一、二を争うくらい。ハリウッドが本気出してゴジラを描くとこうなるかという、ちょっと日本のゴジラ映画もうかうかしてられないですね。

 

また製作者側に「日本」という意識が強いのがわかりました。所々日本のイメージに対する甘さは散見されるものの、震災、フクシマを想起させる場面もあり(それは賛否あると思います。実際見ててあまり良いものを感じなかったのも事実)、広島への言及もあり、アメリカの映画としてはかなり突っ込んだところまで描いていると思います。ハリウッドのリベラルな側面を感じました。

 

ただ、米ソの水爆実験についての言及は悪かったですね。あれでは水爆実験を正当化しているように捉えられても仕方がないと思います。ゴジラ映画でその描き方はないと思いました。あのシーンは本当にダメですね。あれでこの映画は大きく減点してしまっています。他が良かったので、残念でならない。DVD化する時はホントにあそこだけカットしてもらいたいくらいです。あと思ったのは、最後、結局核爆弾はサンフランシスコ沖で爆発したんですよね? 何と言うか、日本人から見ると、ハリウッドって、核爆弾を使うことにてらいがない(映画的に)。最後は個人的には主人公に爆発するのを解除してもらいたかったですね。

 

そんな感じで、全体的な印象はテーマ性を内包しながらも娯楽大作に仕上げている、昭和のゴジラ対決シリーズと平成ガメラを足した感じもある、とにかく傑作ゴジラ映画であった、と思います。

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