2019年は何年か周期で来るアニメ映画の当たり年だったと思うんですけど、個人的にはこの作品も大好きでした。
「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」!
いや良かった! めちゃくちゃ俺好み!
元々、テレビシリーズだったんですよね。その時も毎週楽しみに観てました。ノイタミナの枠だったんですけど、この頃まではノイタミナ良かったんだよなぁ…。2期も噂されてますが、個人的には是非2期も作って欲しいと思っております。
で、そのテレビシリーズの続編ということで、もちろん観に行ってきて、そしてもちろん面白かったです!
もうダメだ!と思わせる展開のストーリー、一つ一つの動き、アクションシーン、作画、場の設定、背景、音楽、女の子の色気(演出やら絵やら)、もうその全てが素晴らしかったです。
全体的な雰囲気としては、時代劇と戦争映画が混ざった感じ。あとサクラ大戦w 和モノスチームパンクって言ったらより正確ですかね。
というわけで、この映画の俺的ポイントは以下、5点! 今回ちょっと多めw
予告編
美樹本晴彦のデザイン
やはりですねー、このアニメ、最初番宣かなんかで知った時、その世界観がいいなぁ、と思って観ることにしたんですが、キャラデザの方もすごくいいなぁ、と思ったんですね。
で、キャラデザ誰だろ?と、よくよく調べたらなんと、御大・美樹本晴彦先生じゃないですか!
マジか、と。やはり我々世代からすると、美樹本晴彦の絵は思い入れがありまして。
先ずは何と言っても第1期のマクロス。この作品のキャラを見た時は最初衝撃的で。微細にして繊細でリアルでありながら、ちゃんとマンガとかアニメの絵になっている。そしてその実存感たるやすごかったですね。
一説によるといわゆる萌え絵の元祖とも言われてるらしく、世の二次元コンプレックスは彼が招いたのではないかと、いうことにもなるのかもしれませんが(^^;; しかしそれもむべなるかな、ですね。
あの実存感で、しかも超美麗な人物が描かれるわけですから、そうなる人もいるでしょう。それに、絵の中でしか見ることができない、というのがなんとも乱歩の「押絵と旅する人」みたいで切ないじゃないですか。でまた、その切なさがいいんでしょうね。
そしてその後も「メガゾーン23」などなど主にロボット系美少女キャラデザで名を馳せていくわけですが、こういう和モノ(正確には「和モノスチームパンクか?」)のデザインとなると、また感じが違って、素晴らしいなぁ、と思うわけです。
ゴジラvsビオランテみたい
今回出てくる城の造形が良かったですねー。
なんだかゴジラみたいだなぁ、って(笑)
と思ってたら、最後カバネが合体してビオランテみたいな怪獣になったw ちなみにビオランテはゴジラの細胞から出来てます。
そんでまた、造形だけじゃなくて、カバネが合体した怪獣の、何というか、「核」となってしまった姫がいるんですけど、その姫の象徴である花をね、こう冠しているんですよ。
更に、怪獣が最後崩れる時に胞子のような光る粒子に姫の顔が、こう、フラッシュバックされるんですね。
もう、めちゃめちゃビオランテなんです!(観た人はわかると思います)
これがですねー、逆に「ゴジラvsビオランテ」が大好きな自分からすると、もうすごくツボで。それに話は全然違いますからね。
僕の大好きな世界観(和モノ、スチームパンク)に、大好きな怪獣が出てきて暴れる、という、好き足す好きなんで、それはもう最&高でした。
カバネとは現代人だ
ただ、何だかとても悲しい話だったですね。
ある意味全く救いのない話かもしれない。
それと、最後に生駒が言った「人が人を恐れ、怒る気持ちが人をカバネにする」という台詞が個人的にはすごく刺さって。
人格のない、いくら殺してもいいとされる、映画内の存在としてのゾンビに意味合い、人格を与え、非常に物語に奥行を与えたと思うんです。
そしてそれは、今を生きる僕たちにも当てはまるのかなー、と。
「人が人を恐れ、怒る気持ちがカバネになる」ってのは、よくよく考えたらSNSとかでもそうだし、実生活でもそうなんじゃないかなぁ、と。もちろん、本当にはゾンビにはなりませんが。いじめが発生したり、炎上したりとか。
それを考えると、我々もまたカバネなのかなぁ、と思ってしまいましたねー。自戒の念も込めて。
でまた、この一言によって、この架空のアニメ作品と現実世界が一気に繋がったように思えて、とても良い台詞だったなぁ、と思います。
無名がクソ可愛い
また、今回は登場人物それぞれの恋が一歩進んだ感じ。
特に生駒と無名の、特に無名の生駒への恋心がすごく良かった。ある意味非常に80年代的な、言ってみれば古風な恋愛なんですけど、それが逆に良い。
生駒にヤキモキする無名がマジクソ可愛い。アニメのキャラの女の子でこれほど可愛いと思ったのは久しぶりですねぇー。
これも多分、美樹本マジックが働いてるんだと思います。
美樹本晴彦、おそるべし。
エンディングのダンスシーン
そんな感じで非常に個人的に刺さった映画だったんですが、EDの登場人物のダンスシーンでですねー、映画を観た後の切ない気持ちとかが全部吹っ飛びましたw
あれだけシリアスに戦ってた連中がカーテンコールよろしくダンスですよ! これにはビックリしました。
『時をかける少女』のようだ。
そういった意味では、全体的に非常に80年代的なテイストを散りばめた映画とも言えるかもしれませんね。
また、そのダンスシーンの配役がまた良かった。
生駒とかイケメン侍とか、あと女の子連中とかは踊れそうだけど、あのデカい良い奴侍は明らかに踊れないですもんね(^^;;
だから「お前は下手だから後ろで旗でも振ってろ」という感じで、踊らずに旗振ってる感じが、キャラを押さえてる演出で、妙に好きでした。