「天然コケッコー」を観てきました。これはこの夏一番観たい映画だったので、ようやく、といった感じでしたね。
先ず、最初の画面が緑の稲のアップから始まるんですね。その瑞々しさに目を奪われてしまうんですが、これがこの映画の全てを表しているといっても過言ではありません。それから絵がすごく綺麗ですね。どのシーンを取ってもいちいち綺麗なんです。映画は「映像」作品であることをよく知っている感じです。田舎の美しい風景の中を子供目線で季節の移ろいを切り取っていくという。「やかまし村の子どもたち」に似ているかな、と思いました。
で、こういう映画にありがちなんですけど、やはりドラマティックな展開はほぼないです。要らないというか。都会から来た男の子も割にすんなり学校の輪に溶け込んだり。パターンとしては「都会対田舎」みたいな図式ってあると思うんですけど、そんなものに陥らなかったのは良かったですね。その点も割に新しいとは思うんですけど、小中合わせて7人しかいない学校が主な舞台なのですが、そういう田舎の学校を描いた映画っていうのも珍しいと思います。僕は初めて観ました。
それでですね、メイン二人の女の子と男の子なんですけど、二人とも天然ですね。男の子は失言が多いんですけど、悪気があるとは思えない。女の子もそうですね。でも、女の子の方はそれで相手を傷つけてしまった後、そのことに対して傷ついてしまうという。そういうところは、女の子の方に感情移入してしまいましたね。「あー、何であんなこと言ったんだろ」って思うこと、よくありますから。それ以外にもですね、この二人、よく観ていくと、かなり天然なところがあって、そこがまた可愛らしい。で、この二人、男の子の方が都会育ちということで、ちょっと大人びて見えますが、全体的にはやはり女の子の方が大人なんだなーと、いう感じでしたね。そこもまたうまく描けているのではないかと思います。
それから、主役の夏帆は演技がうまい(方言は下手だったけど)。細かい表情とか、よく表現しるなーと思って観てました。前々から思っているけど、最近の若い子はホントに演技うまいですね。クライマックスのあぜ道で二人だけのシーンなんて、かなりの長回しでしたから。あれが妙にこう、生々しくて、ちょっと観ててドキドキしてしまいましたね(^^;; あそこら辺の役者を追い込む感じというか、演出もうまいと思います。役者もそれに応えてますからね。すごいなーと。あと、夏帆のキスシーンは妙に生々しい。特に(キスシーンじゃないけど)ラストの黒板にキスするシーンは妙にエロい。あれは何なんでしょうね。それから芝居がうまいと言えば、一年生の女の子。芝居というか、あの笑顔はずるい(笑) 見舞いに来た夏帆に抱きつくシーンがあるのですが、その笑顔がホントかわいい! あれは演技なんだろうか? だとしたらすごいよなー…。
それから、エンドロールのくるりの主題歌も収まりがよかったです。というわけで非常にオレ好みの映画でした(^^)