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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「レディ・プレイヤー1」ネタバレ有り感想。一人の男の人生の物語!

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レディ・プレイヤー1」はもう、予告の段階で絶対観に行かなくてはいけない、と思った類の映画でした。

でも、制作は「どうしてもこれを撮らねばならん!」というスピルバーグの強い要望で、「ペンタゴン・ペーパーズ」が優先されてしまいます(^^;; とはいえ、さすがスピルバーグが使命感に駆られて作られた映画で、こちらも観るべき映画でした。お勧めです!

そして、待ちに待った「レディ・プレイヤー1」は、期待以上の出来で、本当に楽しめました! 待たされた甲斐があったというものです(^^)

冒頭の集合住宅の感じは非常にディストピアSFの世界観で良かったし、それから続くOASISの映像もゲームの世界に入ったようですごく良かったです。

この作品は基本的にはディストピアですね。なんというか、希望のあるディストピア。でも、ハッピーエンドではあるけど、この世界全体は何も改善されていないんですね。そこがなんというか、突き放した感じというか。

最初は2Dで観たんですが(僕は映画の基本は2Dだと思っています)、これは是非IMAXでも観たい、と思い、その日のうちにIMAXでも観てしまいました。

1日に同じ映画を別の映画館で観たのは初めてでしたね。やはりこの映画のCGはIMAXで観るべきものでありました。なんといってもゲームの中の世界、という設定ですからね。

特に冒頭のOASISのシーンはアトラクションのようで、それこそゲームの中に入る感じを堪能しました。でも、それ以外は特に3DCGはなくても、取り立てて変わらなかった感じですかねー。

OASISはハリデーの人生そのもの

先ずは何と言ってもOASISの開発者であるハリデーですね! 彼が作品全体に投げかけるメッセージ性のようなもの抜きにはこの映画は語れないと思います。ある意味、ハリデーがこの作品の全てと言っても過言ではないでしょう。

ハリデーの三つの鍵は、彼が歩んできた人生そのもので、故に鍵を見つけたプレイヤーはハリデーの人生の歩み、痛み、思想を見ることになるのです。

そしてその鍵を解くには、ハリデーが愛した、人生の支えだった80年代ポップカルチャーへの深い造詣と理解がなければならない。この試練はハリデーの人生そのものなのだ。

だからハリデーの隠したイースターエッグを見つけた者は彼の後継者となれるのです。

叶わなかった恋、壊してしまった友情、そしてポイントは、時には後ろに向かって全力で走るのも良い、という思想だと思います。

これはつまり、過去をないがしろにしない、ということだと個人的には解釈しました。

この映画の肝は実は80年代ポップカルチャー

この映画の主な舞台となるOASISはハリデーの人生そのものなので、当然の如くこの作品には80年代のポップカルチャーが色濃く彩られています。

確かに2018年時点の最先端の技術を駆使したゲーム映像がこの作品の大きな醍醐味ではありますが、じゃあその中身はというと、そのものズバリ80年代の文化なんです。

それはつまり、「過去のものたち」。

だから、この作品自体が「全力で過去へ突っ走ってる」のです。

で、個人的に言わせて貰えば、僕が青春期を過ごしてきた文化がふんだんに盛り込まれているわけですので、僕ら世代には特に刺さるのではないでしょうかw

故に郷愁感がある。だから、観ていてすごく懐かしくて楽しいんだけど、どこか切ないんです。そう思って観てたおっさんおばさんは多いのではないでしょうか?w

そしてその、僕らが感じた切なさは、生き方が不器用で他人との関わりが下手だったハリデーへと繋がっていくんです。

内向きで(おそらく繊細だったであろう)ハリデーはゲームや漫画、アニメ、映画の世界に没頭しました。そこが彼の逃げ場所であり、そして同時にたまらなく魅力的だったのではないでしょうか。

そういった意味で、ハリデーにとっては80年代ポップカルチャーは、逃げと同時に攻めだったのだと思うんです。

それは取りも直さず僕と似ていると思う(^^;; というより、この映画に特に深く刺さる人間はそういう人間なのではないでしょうか。

実はすごく切ない映画

そんな感じで、ガンダムAKIRAが出てくるハリウッドの、しかもスピルバーグのSF超大作ということで観に行ったんですけど、観終わったらとても切ない良い映画だったというw もうさすがスピルバーグです。

切ない、と言えば、イースターエッグを見つけた主人公が泣いているのを見て、敵の親玉が銃を降ろすシーンがあるんですね。ここが良かった。

おそらく最初はゲームに何の興味もなかった親玉ですが、主人公たちとゲーム内でバトルしてるうちに感化されていったのではないか、と勘繰ってしまいます。でなければ、あそこで銃を降ろさないでしょう。

その一方で、やはり金儲け目当てのビジネスマンが敵として描かれている点もスピルバーグのメッセージ性があるのではないかと思います。経済最優先の現代の世界への皮肉だとも捉えられるかな、と。

また、ハリデーのかつての親友にして元同僚に対して主人公が「このゲームの本当の鍵はあなただ」と言うシーン。ここも、良かった。

そう言われて、その元同僚は泣いてしまうんですけど、このシーンには思わずグッときてしまいましたねぇ。彼はずっとハリデーのことが好きで、気にかけていたのだと思います。

その感じが、変わらぬ友情というか、別れても、ずっと「繋がっていた」感が、すごく良くてね。

そんな感じで、まさかこの映画で泣くとは思わなかったですねー。

もちろん、夢の競演も最高!

もちろん、ゲーム内のシーンも最高でした。

ガンダムvsメカゴジラという日本人の同人作家ですら、いや日本人の同人作家だからこそ考えつかない夢のロボット対戦や(正確に言うとガンダムはロボットではないのですが)、金田バイクとデロリアンのカーチェイス、そして全編を彩る80年代の音楽(やはり80年代の曲は良いですね)。

とにかく、どこをどう取っても最高の映画でした。

ガンダムと言えば、森崎ウィンの「俺はガンダムで行く!」というセリフと言い回しが良かったですねー。あれでテンションがまた更に上がった感じがして。そういう細かいセリフって、大事ですよね。

アバターの向こうのご本人たちも最高

主人公グループの現実世界の姿も良かったと思います。

野武士風のダイトウの森崎ウィンと主人公は割と意外性はないものの、巨漢男のエイチは、なんと黒人の肝っ玉かあさん風の女の子。

同性(男)の親友だと思っていたけど、実はお前女だったんかい!という驚きと、やっぱり頼りになる感じがすごく嬉しかった。やっぱり女性の方が肝っ玉座ってるし、頼りになるよな。現実世界でのこの女の子の活躍もすごくカッコ良くて、良かったですねぇ。

そして、相手役の女の子は右目の周りにあざのある女の子。ここにも監督のメッセージ性のようなものが現れていると思います。

あざのある人のコンプレックスは殊の外大きい、とテレビで見たことがあります。実際、今までの映画などでは悪役に使われることも多かったです。

しかし、この作品ではヒロインです。そういう偏見を打ち破りたい、という思いがスピルバーグの中ではあったのではないでしょうか。

そして中国忍者は中国人の11歳の可愛らしい男の子。子供を入れることで、ネット社会の年齢の不特定性を表していると共に、なんとなく役者は揃った、って感じ。

全部で5人。これがヒーローなのでですが、やはりヒーローは5人なんですね。キャラは立ってるし、個性もバッチリ。

アバターではメシは食えない

また、普通、たいていの映画の中では食事のシーンがあるものです。

というのも、映画の中の人物は、しょせん作り物なので、その作り物に「生」を与えるには、ものを食わせるのが手っ取り早いからなんだそうです。だから、映画とかドラマとか、或いは漫画とか小説とかでも、やたら食事のシーンが出てくるんですね。

しかし、この映画には一切ありませんでした。

観てて不思議に思っていたのですが、それはおそらく、最後にハリデーが、現実世界でなければメシの旨さはわからない、と言ったことに集約されてると思うんです。

やはりこの作品はゲームの世界であり、登場人物はOASISの中では全てアバターなんですね。確かにそれを操っているアバターの向こう側にいる人は普通に人間なんですが、アバター自体は生物ではありません。だから食事はしないんです。

おそらく、この点はスピルバーグの、現実の世界が大事なんだ、というメッセージが込められてるのかもしれませんね。

また、主人公が最後に新たにOASISの経営者となるですが、火曜と木曜は営業休止にしちゃうんです。

アバターはメシを食わない、毎日営業はしない。この二点に、なんとなく高橋名人の「ゲームは1日1時間」を思い出してしまいます。

ゲームばっかりでなく、外に出て遊ぼう、ということなのかもしれませんね。

 

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