azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」ネタバレ有り感想。グールドとビートルズって似てる?!


azzurriのショッピングレビュー-グレン・グールド

 

 去年の暮れに「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」を観に行きました。昨年末は音楽ドキュメンタリー三昧でしたね~。

 

 この映画は言わずと知れたカナダの天才ピアニスト、グレン・グールドについて、親しかった人や研究家などのインタビュー、そしてもちろん本人の演奏やインタビューを交え、構成されたトキュメンタリーです。全体的にはざっくり二部構成という感じで、前半は音楽家としてのグレン・グールド、そして後半は彼の、主に恋愛にスポットを当てた言わば「人間」グレン・グールドを追う形になっています。

 

 前半部で印象的だったのは、フィンガー・タッピングという練習方法。片方の手を鍵盤に乗せ、もう片方の手の指で鍵盤に乗っている方の手の指を上からひとつひとつ、ゆっくり丁寧に弾くように押していく、という練習方法です。指先の感覚を養うのが目的らしいのですが、グールドのあの「機械のよう」と評される超絶技巧の秘密の一旦を知った思いでした。スポーツの練習なんかもそうで、例えばバッティングのスイングなら、ゆっくり、丁寧にバットを振る練習を秋山や小久保は取り入れてるそうで、しかも実はゆっくりとスウィングするのは難しく、疲れるらしい。ゆっくりひとつひとつポイントを確かめつつ練習するのが大事らしいです。そういう話を聞いたことがあるので、このフィンガー・タッピングという練習方法を見た時、なるほど、と思ってしまいました。あと、グールドの音楽的なスタイルに多大な影響を与えたのはグールドの通った音楽学校の先生ということでした。あの低い椅子も先生の影響だそうです。

 

 後半部でグールドの恋愛遍歴が語られるのですが、この映画を観る前までは勝手にグールドって女性(というよりも恋愛そのもの)に興味がないような印象がありました(知りもしないのにネー。我ながら勝手)。しかし、やはりグールドはモテたみたいです。あのピアノにあのルックスですからね。モテない方がおかしい! しかも、一番長く続いた女性はなんとグールドの尊敬する音楽家の奥さん! そう、不倫だったんですね。それもまた意外。不倫生活は女性の方が子どもたちを連れてグールドの家に押しかけた形で送っていたそうです。しかも、これまた僕の勝手なイメージと違い、子どもたちの人気は上々。面倒見も良かったそうです。非常にユーモラスな人でもあったみたいですからね。子どもたちのインタビューもあって、相当グールドのことを気に入ってたみたいです。

 

 あと、全体的な印象は、これはもう個人的な見方でしかないんですけど、やはりビートルズと被ってしまいました。傲岸不遜でありながら、繊細、という点はジョンやジョージを彷彿とさせ、ユーモアがある、という点では四人と共通してると思います。更にコンサート活動に嫌気がさし、以降レコーディング活動に専念するというところはまさにビートルズと同じ。グールドがコンサートを辞めたのは1964年。その当時ビートルズはコンサート活動の真っ只中でしたが、その四年後の1967年にはアビースタジオにこもるようになります。この映画を観た時に元ビートルズドキュメンタリー映画が立て続けに上映された、というのもあるのでしょうけど、何となく比較して感じてしまいました。