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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「ノスタルジア」ネタバレ有り感想。わけわからないけど抜群に美しい映画!!


アマプラでの配信終了が近かった「ノスタルジア」を観ました。

タルコフスキーは、みんな大好きで、僕の尊敬する人たちも大好きで、ずーっと観たかった監督なのですが、敷居が高すぎるということもわかっていたので、ずーっと観ていなかった映画監督の一人です。


でも、今回はこれ以上はないタイミングだったので、「これは絶対観ないといかん!」と思い、ようやっと観れたのでした。

そして案の定、正直わけのわからない映画でしたw やはり俺には敷居が高かったw

でも、ものすごく綺麗な映画でした。

いわゆる名画だと思うのですが、映画というより「動く絵画」といった趣でした。

 

 

予告編

youtu.be

(こんな感じの)ストーリー(だと思う)

おそらく、ストーリーらしきものはあると思います。

イタリアに来たロシア人の男女が旅をする、というのが大きな流れで、そこにおそらく宗教と人間の情愛というか、そういうものを絡めてきて、最後は男同士の友情…というのともまたちょっと違う、人との繋がりのようなもののために、二人の男は死を迎える、というような感じだと思います。

またストーリーという点では、男女のロードムービー、という一本の筋があるとは思うのですが、男の方には故郷に家族がいる一方、女はこの男と懇ろになりたかった、のではないかと思いました。そこのすれ違いが決定的となって、途中で二人は別れて旅をすることになります。

また旅の途上で、気が触れていると世間の人には見られていたドミニクという男と出会うのですが、主人公の男・アンドレイはドミニクに通じるものを感じたらしく、ドミニクと「温泉を蝋燭の火を消さずに渡りきる」という謎の約束を交わしてしまいます。

そしてラストにその約束を果たすのですが、そのことでアンドレイはおそらく死を迎える。ちょっと謎な展開ですが、そういった謎展開は全編を通して散りばめられていました。

謎展開

およそ現実のものとは思われない出来事が起こったり(おそらくはアンドレイの心象風景を抽象的に描いたものだと思います)、雨が降る中、ホテルの窓を開けて寝てみたり、犬が突然その部屋に入ってきたり、かと思うと、男が用水路の中にいると(これも突然だけど)突然女の子が現れたり、ちょっとよくわからないことが多すぎました。

ちらっとネットで本作のことを調べてみたら、タイトル通りタルコフスキーはイタリア旅行に行くとロシア人が感じがちなノスタルジーを描きたかった、ということでした。

だから、この映画は「感情」の映画であって、感情そのものを描こうとしたのでしょう。

だから、わけのわからない演出が頻出するし、そしてその演出が、ストーリーよりも映像美優先だったりするように感じました。

この映画におけるストーリーとは、感情を表す映像のための小道具にしか過ぎないのではないでしょうか。

描きたいのはノスタルジーという感情そのものであって、ストーリーではない。そういった意味ではイメージビデオに近いものかもしれないけど、描いているのは人の感情であるので、そういった点では、やはり「映画」であるのでしょう。

美しい映画

そんな感じで、そういったストーリー性は映画を観ているときは希薄に感じたし、随所にちょっと理解できない演出もありました。

しかしながら、全体としての印象は「とても綺麗な映画だな」というものでした。もう、ホント、綺麗でしたね。

やはり映像作品ですから、先ずは美しいものを作らなくてはいけない、という思想があるようにも思います。総じて、ヨーロッパの芸術家たちは、美しいものを作らなくてはいけない、という使命感のようなものがあるように感じられます。

先ず印象的だったのは水、というか「水分」のイメージ。

冒頭から濃い霧が立ち込めるのですが、この霧のイメージは映画を通して描かれることとなります。

他にも、雨や川、湖、或いは用水路(ひょっとしたらドブ?)、果ては温泉まで、ありとあらゆる水のイメージがあります。そしてそのどれもが美しい。

またロケーションも、よく見つけてきたな、と思うようなカッコ良かったり美しかったりのオンパレード。少々ストーリーがわからなくても、それ見るだけでも、この映画を観る価値があるように思います。

映画はある面では疑似的な旅行でもあると思っているので、この映画では非常に素晴らしい旅ができたようにも思います。

ロケハンのセンスも映画を形作るうえで非常に重要な要素だと思います。

その一方で、荒涼とした、どこかディストピア的な雰囲気のある風景も描かれているのが面白いところですね。

また時折白黒の映像に切り替わるのですが、そこで描かれているのは、おそらくは主人公の男の故郷のものでなのでしょう。

白黒になる場面は幻想的に描かれてるんですね。ずーっと遠くの方に白い馬がいたり、白い翼を背負った女性も遠くの方に配置されていたりもしました。

多分故郷をどこか天国のようなイメージとして描いていたのかもしれません。


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