Eight Days A Weekを観てきたんですけど、最高のドキュメンタリーでした!
ビートルズ関連のドキュメンタリーでは一番かもしれない。何よりビートルズのライヴに絞っているところがいいですね。テーマを絞ることでタイトでまとまった印象があるし、観やすい。それでいて、ツアーの合間を縫ってのレコーディングを、アウトテイクを混ぜて紹介しているのがいい。
観て、一番最初に思ったことは映像が綺麗だったことです。デジタルリマスターの技術は眼を見張るものがあるけど、この映像の綺麗さにより、50年も前のバンドを身近に感じることができると思います。
また音も良かったですねー。ベースの音もしっかり聴こえるし、あの劣悪な環境の中でこれだけ合った演奏をできたことが信じられない。やはり経験の成せる技でしょうか? ハンブルク遠征も含め、実はビートルズは経験豊富な職人的ライヴバンドだったということが、この映画を観て改めてわかった気がします。音も洗練されてはいるんですけど、荒々しく野蛮で、あのJBのライヴにも勝るとも劣らないと感じました。
また、ビートルズが人種隔離政策に真っ向から堂々と反対していたことには感動しましたねー。やはり、ビートルズはリベラル、ロックは反骨なのだ! そして、ビートルズの行動は全て四人全員が賛成して初めて動く、という点にも泣けました。チームワークはより強固に、弱い時も支え合う。初期の若い頃のビートルズは本当に仲が良い、というより一つだったのだ。
ライヴシーンがふんだんにあり、同時上映にシェアスタジアムでのライヴも30分もあったこともあって、この映画を観て「ビートルズのライヴが観たい」という夢が1/100くらい叶ったような思いです。音も良くなったので、そこもまたビートルズのライヴを今の時代のものとして聴けたように思います。もちろん、当時の音響設備では、あんな良い音鳴ってなかったはずだけど、ホントはこんな音を出していた、ということがわかる分、この映画の方が「本当の」ビートルズのライヴの音を堪能できるかもしれないです。うがった見方かもしれないですけど(^^;;
今年、リンゴのライヴを観たこともあり、「わー、リンゴだ!」と若い頃のリンゴを観ると感慨深かったです。ジョンが歌って、ポールがコーラス取って、ジョージがギター弾いて、リンゴがドラム叩いてたら、そりゃキャーキャー喚くわ。それにしても、ポールのMCは昔からそんなに変わってなかったし、ジョンのMCも「らしさ」たっぷりだったし、ジョージのギターを弾く姿はカッコ良かったしギターもうまかったし、リンゴのドラミングは前がかりでパンクですらあった。
また、シェアスタジアムでのライヴはあれだけの大観衆の前でライヴを行なったのはビートルズが初めてで、あの発狂した群衆を前に自分の音すら聴こえない中で演奏するプレッシャーはいかばかりだったろう? 大群衆に立ち向かう四人に、スポーツ選手のような孤高な崇高さを感じました。ちなみにシェアスタジアムの警備員の着ていた制服がメッツのチームカラーだったのは「おおっ!」と思ってしまいました。メジャーリーグとビートルズがほんの少しだけ繋がった感を勝手に感じて、そこも一人でちょっと盛り上がってしまいました(笑)
とはいえ、ビートルズを見て泣き喚くファンの女の子の、ビートルズへの愛を叫ぶ姿は可愛らしく、一途さを感じたのもまた事実。あれだけ熱狂的なファンは後にも先にもビートルマニアだけだと思います。
本編ラストのルーフコンサートは良く出来た漫画の最終回を観るようでした。