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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「メイドインアビス 烈日の黄金郷」第7~9話ネタバレ有り感想。時間的距離を感じない過去エピソード!!


メイドインアビス 烈日の黄金郷」第7~9話を観ましたよ! いよいよ大詰めを迎える、その前段階といったところでしょうか!

前回、第4~6話の感想の時は、過去と現在が邂逅した、と書いたのですが、今回はまたしても過去の話となります。

この「烈日の黄金郷」はそういった意味で、時系列が行ったり来たりしますね。でも、あんまりわかりにくい感じはしません。過去に行くことでテンポが停滞する、ということもないと思います。そこらへんも作りが上手いというか。

やはりこのエピソードは、過去が直接現在に作用してるし、何より現在が過去に直結している、時間的距離を感じない、もっと言ってしまうと、この村の住人たちは百五十年の過去から何も変わっていない、言ってみれば、時間に置いてけぼりにされてる、ということが言えるのかもしれません。過去に捕らわれてるというか。

そして、その「過去」が暴かれ、「過去」がいよいよ牙をむいてきた、そんな感じになっていると思います。

PV

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第7話

今回は全編過去の話。ヴエコの昔語りですね。どうやってこの村ができたのか、その謎が解き明かされる感じです。

決死隊が第六層に着いてからしばらくの話。基本的には見知らぬ、それまでの常識が全く通用しない世界でどうやって生きていくか、が見かけ上の主だった話、だと思います。

あのエレベーターみたいなもので隊員が再び第五層まで上昇すると、成り果てになってしまい、早々にもう戻ることはできないことが判明します。

ちなみに、あのエレベーターに乗って、第六層に来れた(来れてしまった?)のは、決死隊の前に成り果てが第五層にいたのですが、その「彼」のおかげだったらしいです。そしてその成り果ては白笛を持っていました。「何か」はあったのだろうことが示唆されますが、「彼」がなぜ成り果てになったのか、それは当然のことながら分からずじまいでした。

決死隊はそこらにいたであろう緩衝機を捕え、案内役に仕立てあげます。緩衝機曰く、自分たちは物事を観察するためにいる、みたいなことを言ってました。そのあからさまなオーバーテクノロジーさから察するに、やはり宇宙的な何かなのでしょうか。

そして生きるためには先ず水が必要です。第六層に水を手に入れられる場所は幾つかあるのですが、そのほとんどは危険を伴います。そりゃそうです。あらゆる生物にとって水は必要ですから、どうしたって強いものから優先的に独占していきます。

その結果、決死隊が確保できる水がある場所は消去法で一つに絞られてしまいます。しかし、なんとか水を確保することには成功。しかし、その水が後々大問題となります。

そして、今回はサバイバルが横軸だとすると、縦軸はヴエコと現地の女の子・イルミューイの絆だと思います。そして、このイルミューイが子供を産めない体というのがキーワードだと思います。

イルミューイは子どもが産めない身体のため、家族から見放されていました。実はヴエコも同じく子供が産めないらしいんですね。そういったこともあって、ヴエコのイルミューイに対する情も更に強くなっていきます。

また、イルミューイがヴエコを慕う理由が、母親と同じ匂いがする、ということにありました。曰く、色んな男と寝たことのある人特有の匂いがあるのだとか。なんとなく、ヴエコがどうやって生き延びてきたのか、そういうものも仄めかされています。

これはヴエコとイルミューイだけの話ではなく、決死隊というものが、なぜ決死隊にならなくてはいけなかったのか、ということにも関わってきます。他に居場所がなかったんですね。自分の居場所を確保できなかった人たちがヒシッと寄り添うように集まった、おそらくそれがこの決死隊なのでしょう。

ある日緩衝機が、願いが叶うという金の卵みたいなものを拾ってきます。その卵みたいなものはイルミューイに託されます。なんせ願いが叶うというのですから、決死隊の存亡をかけ、渡します。なんでも、大人よりも子ども(緩衝機は「子ども」ではなく「幼体」と呼んでいましたが)の方が都合が良いというのもありましたが、予言者の側面も持つリーダーの提案でもありました。曰く「この子が我々を救ってくれる」と。

イルミューイの願いはやはり、子供を産むことができる、ことだったと思います。

やがて、決死隊に発熱を伴う下痢が蔓延していきます。更には発症した者の体が植物のようなものに変わっていく。

調べてみると、水自体がどうも生物であったようで、下痢の中には卵のようなものが含まれていました。で、下したウンコを調べる描写があったりするのですが、やはり第2期はウンコというか、下(しも)というのがキーワードの一つかもしれないです。

こう言うとアレですが、実はそれが殊の外重要で、避けては通れないテーマであるようにも思うのです。

それは「生きる」ということを如実に表現しているのではないか、と。

生きるためには栄養の摂取が必要で、それには必ず排泄が伴います。よくよく考えれば、食べるだけでは生きてることを全て表現していることにはなりえません。

やはりこのアニメは「生きる」ということがこの作品の最大のテーマのように思います。

しかも、それは「原始的な生」というか「生きるということの根幹」みたいなものであるように思うのです。出産なんかはまさにそうですよね。

そして金の卵を託されたイルミューイは、願いが叶って出産します(無精卵のようなものでしょうか)。

しかし、生まれてきた子どもは何の動物なのかもよくわからない。でも、イルミューイは生まれてきた子をとても可愛がる、愛情を注ぐんですね。

でも、生まれた子には食料を摂取する機能がないんです。だから、生まれてすぐ死んでしまいます。

イルミューイは何度も何度も子どもを生むのですが、その度にそれを繰り返します。繰り返させられるというか。宿主に希望と絶望を繰り返させる金の卵とは一体何なのでしょうか。

そして遂にヴエコも発症し、苦しみの中、誰かに食料を与えられます。そしてその食料とは、現地の女の子の変わり果てた姿だった…のか? まだこの回では食料の正体はわかっていないので何とも言えないですが、そうなのかな、と思ってしまいました。

ただ、ここに至るまでの流れが、ヴエコと女の子の絆を丁寧に描いたものだったので、それ(食人)を匂わせる演出は非常に衝撃的でした。

また、リーダーが言った「この子が我々を救ってくれる」という意味合いが一気に怖いものになる。言葉というものには、時に凄みがある。

第8話

レグが野性味のありすぎる女の子の元に戻ったシーンからのスタートとなります。前回との繋がりがないので意表を突いたスタートと言えるかもしれません。

女の子はレグに、約束を守ってくれたら何でも協力する、と言われるがレグはその約束を覚えてません。そりゃ約束どころか、過去の記憶がスコーンと抜けてるわけですからね、覚えてるわけはない。

困ったレグは約束を教えてくれと正直に告白します。すると、どういうわけか女の子はウサギのような巨大な片耳と右腕を一本(左右二本ずつ、腕が生えています)を引き千切るという衝撃の展開。このアニメは本当にキャラクターにグロい行動を取らせたがりますね…。

そして、ヴエコの昔語り、つまり過去のシーンに戻ります。前回、衝撃のラストシーンからの続きとなります。ヴエコが食べたのはイルミューイではなく、その子供だったことが明かされます。若干、そっちも予測はしていましたが、それはそれで衝撃的です。いずれにしろ衝撃的です。もはやこのアニメには衝撃しかありません。

ヴエコ、そしてイケメンの男・ベラフは、そのイルミューイが生んだ子どもの肉を食べることに抗いながらも抗い切れず、本能に従い、食べ続けます。

イルミューイは巨大化し、最早原型をとどめていないほどですが、尚も子供を産み続けます。そして人格はほとんど失っているように見えますが、ヴエコには反応します。ヴエコへの愛情は変わっていないような、そんな感じに見えます。おそらく、それが更にヴエコを苦しめていたようにも思います。

そして、ある意味ヴエコ以上にダメージを追っていたのがベラフでしょう。おそらくべラフは、すごく真面目で良い人で、言ってしまえば「まともな人」なのでしょう。彼はずっと正気であったと思います。それ故、誰よりも辛かったかもしれません。

対して、周りの人間は、どうもイルミューイを神のように扱い、宗教のようになってしまっていたように見えました。そうなる気持ちもわからんではないですが…。飢えた彼らを救ってくれるイルミューイは、まさに神にも等しい存在であるとも思います。

しかし、変わり果ててしまったとはいえ基本的には人であり、彼らが食ってるのはその「人の子」です。まともな神経ではもたなかったのかもしれません。人は時に、自分を守るために本能的に自らを狂わせることがあるのかもしれません。そういった意味で、ベラフは非常に強い精神力の持ち主だったと言えるかもしれません。

ヴエコとベラフの二人に共通しているのは、狂えず、それでいて自らを罰する勇気もないことでしょう。というより、生きる、という気持ちが勝っていたのでしょう。そういった意味では、弱くもあり、強くもある。強さと弱さが同居しているというか。そもそも、強さ弱さとは何だろう?とも思わされます。

そして更に怪獣みたいに巨大化したイルミューイは、アビスの中心の方に移動していきます。そこでイルミューイの体に、透明な緑の膜ができます。それはリコたちが訪れた時に通った膜でした。

ここで「烈日の黄金郷」の舞台の秘密が明らかになるのです。あの街、あの塔はイルミューイ、つまり人間の体の中だったのです。どうりで地面が所々、血のように赤く染まっていたはずだ。あれはおそらく血管か何かの名残なのでしょう。

そしてその状況を作り出したのは、決死隊のリーダー・ワズキャンであったらしい。しかも、金の卵を自らも使用したらしい。おそらく彼の願いは、自分たちの「故郷」を作ることであったのだと思います。

決死隊はなぜ危険を冒してまでアビスに来たのか。それは彼らが、どこにも居場所がなく、流浪の民となった者たちだったからであることが、これまでの物語から容易に想像できます。彼らの願いは自分たちの国、自分たちの居場所を見つけることであったはずです。

ただ、決死隊は透明の緑の膜を潜ると、成り果てのようになったのですが、リコはそうはならなかった(ナナチは元々成り果てでしたから)。そしてヴエコも姿は変わらなかったんですね。これは一体どういうことなのか。その謎も今後解き明かされるのでしょう。

そしてヴエコはイルミューイの頭に相当する場所の中にいたのです。あの竪穴はそういう場所だったんですね。村人が竪穴を訪れると調子が悪くなったのは、イルミューイが拒絶してたからなのだと思います。イルミューイが受け入れたのはヴエコだけなのですから。頭に該当する場所にヴエコだけが入れたのは、そんな理由があったのでしょう。

だから、ヴエコは「ネットワーク」で街の様子を知ることができていたんですね。なぜなら、そこは「脳」に等しい場所だったのですから。

ヴエコの周りにいたスライムのような生物は、イルミューイの生んだ子供達の魂であるらしいです。

そして、イルミューイは自分の子を食った決死隊を許してはいなかったらしい。まぁ、そりゃそうでしょう。あの野性味の溢れる女の子は金の卵から生まれた、イルミューイのもう一つの願い、つまりは復讐であったのです。

最初はイルミューイだと思っていたので、なるほどそうかあ、と思ってしまいました。闇が深い。

第9話

イルミューイの子供がレグに向かって、なんか色々喋りはするんですけど、あまりにも自分の文法で喋るので、正直何言ってるかわからないです。そんなんだから、状況が今ひとつ掴めない。でも、どうやら母親の復讐を果たすつもりらしいことはわかります。

前回、自分の耳と腕を引き千切ったのはそのための布石のようなんです。多分、イルミューイにとって子供は自分の分身、という扱いなんだと思います。つまり、自分を自分の体の中に摂取することはできない、ということなのではないでしょうか。

それならば、と一部ならいけんじゃね?ということで、レグに引き千切った腕(耳はどこかへ行ったらしい)をあの街の中へ入れてもらうという作戦らしい。

しかし、案の定というか、街の管理者的な奴が子供の腕を、多分異物として排除しようと暴れまわります。でまた、この管理者みたいのがややこしくて、ヴエコの思念みたいのから生まれたものらしいです。

多分、イルミューイを思い、イルミューイを守ろうとするヴエコの気持ちみたいなものから生まれたらしく、リーダーの前の現れた時、自ら「三賢人である」と告げたらしいです。化け物じみてはいますが、言語は解するらしい。つまり、知性はあるようです。

で、その暴れまわるそいつをなんとかしなくちゃいけないということで、レグは火葬砲をブッ放します。火葬砲はアビスの法則みたいなものをブッ壊す力があるらしく、火葬砲が塔に、つまりイルミューイの体に風穴を開ければ、イルミューイの子供も街の中に入れる、という仕組みです。

なるほど、イルミューイの子どもが自分の腕をレグに託したのはここまで折り込み済みだったわけですね。

そしてその通り、イルミューイの子どもが攻めてきます。そしてここで一席ぶち上げるのですが、ちゃんとした日本語でした。なんだ、ちゃんと喋れるんじゃん。

そしてこれから復讐が始まるぞ!…という、その前に、久々にナナチが登場。長い夢を見ていたらしく、それはざっくり言うと決死隊のリーダー・ワズキャンに率いられて冒険の旅に出る、というものだったらしいです。大蛇になったイケメン・ベラフはそれを聞くと、これからは夢じゃなくなる、と言います。おそらく、今後の展開は、ワズキャンと共にリコさん隊はアビスの更に奥深くへと行くのでしょう。

そういえば、その前のシーンでリコはワズキャンに向かって、あなたの夢はここに自分たちの居場所を作ることじゃない、私を利用してここから出て、冒険を続けるというものなんでしょ、と看破していました。だから、おそらくそういう展開になっていくんだと思うのですが果たして。

しかし、リコがなぜそんな結論に至ることができたのかは、やはりよくわかりません。リコ曰く、前にも似たようなことがあった、ということです。それはボンドルドのことなのか、不動卿のことなのか。

それにしても、このリーダーもまた自分の欲望に実に忠実です。自分のやりたいことのためにはイルミューイをあんな風に凌辱しても構わないという感じらしい。

ただ、限界的状況では手段を選ぶ余裕はない、ということでしょうか。いずれにしろ、なんとなく、ボンドルド、そしてリコに似てると思います。

とにかく今回は、各登場人物がオリジナルの言語を使ってきたり、言ってることが論理的に飛躍していたりと、ざっくりとは話の流れはわかった気はするものの、ハッキリとはよくわからない回でした。


 

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