azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

細野晴臣「Vu Ja De」発売記念コンサートは垣根のないコンサート!!

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細野さんの新譜「Vu Ja De」発売記念ツアーが行われていますが、先日、中野サンプラザでの公演に行ってきました。実は細野さんのソロコンサートに行ったのは初めて! フェスとかでは観たことあったのですが、ワンマンのコンサートは自分自身意外なことに初めてでした。他のお二方(もちろんYMOのメンバーであらせられる教授と幸宏)と似たような雰囲気のコンサートでした。どことなくクールで、どことなくお洒落で、どことなく家族的な雰囲気。

僕は残念ながら二階席だったのですが、入場口の真上で、しかも前が手すりだったので、視界を遮る物は何もなく、とても観やすくて、案外良い席でした。

そして開演前にトイレに行ったのですが、トイレから出たら小山田圭吾堀江博久とすれ違いました! 一発でわかった(^^) やっぱり普通の人じゃないオーラ出てましたねぇ。まさかステージまであんなに遠かった方々がこんなに近くに…! 世の中不思議なもんです。

というわけで、前座(なのかな?)のナイツや清水ミチコ姉弟で盛り上がり(特にナイツの細野さんプロフィールネタは秀逸だった)、いよいよ本編と相成ったわけですが、細野さんの登場シーンでいきなり度肝抜かれました。バンドに続いて細野さんが登場したのですが、先ず向かって左前方の客席フロアのドアから現れたのです。左側最前の人たちが羨ましかった! そして、髪型がパーマになっていた! まさかのイメチェン!  そして似合っていた。以前、20年くらい前に細野さんが出演した番組のアンケートで、将来は養老孟司さんのような髪型になりたい、と書いていたけどまさにその通り!

で、一曲目を演奏する前に細野さんが挨拶したのですが、「あっち向いてていいよ」とか「お弁当食べたりとかね」とか「こっちは勝手にやってるから」とか、およそアーティストとは思えないまったり発言を連発(笑)  非常に細野さんらしいと言えばそうなのですが、この日やった曲のほとんどは1940〜60年代の曲のカバー、或いはそれらの曲の影響を汲んだオリジナル。で、その頃のバンドは主にクラブやカフェで演奏する雰囲気作りのBGMだったと聞いたことがあります。つまり、演奏者と聴衆の垣根がほとんどなく、両者の関係は緩やかで、ステージすらない場合も多かったのではないでしょうか。もちろん、中野サンプラザだからそんなことはできないし、来てるお客さんも細野さんの音楽を楽しみに来ています。でも細野さんは雰囲気だけでもそんな感じでやりたかったのかもしれませんね。それを思うとさっき言った客席のフロアから登場したのもそういうことを意識してのことだったのでは?と勘ぐってしまいます。「同じ目線にいるよ」というメッセージだったのかもしれません。

しかし、よくよく考えたら細野さんの音楽は民族音楽を取り入れたり、アンビエントミュージックに傾倒したりと、実は昔からずっと演奏者と聴衆の垣根が曖昧な音楽への志向があったように思います。多くの民族音楽は共同体のものだったりしますからね。演奏者、作曲者が主で聴き手が従という関係性への反発、というのはあったのかもしれません。細野さんはよく言われるように音楽に対する強い愛情があって、自分の音楽を突き詰められるところまで突き詰めていこうという姿勢があると思いますが、その一方で音楽とは共同体のもの、というスタンスも見え隠れしているのはちょっと面白いかもしれません。

さて、コンサート本編なのですが、やはり新譜からの曲が中心で、どの曲もCDよりカッコ良かったですね! 曲が成長しているというか。また今回のアルバムはバンドで再現できる曲が多いので、特にライヴを重ねていくことで今後更にブラッシュアップされていくのだと思います。まぁ、個人的には長年好きだった「北京ダック」「PomPom蒸気」を生で聴けたのが嬉しかったです。ちなみにYMOの曲はなし。はっぴいえんどは相合傘のみでした。

そう、今回初めて細野さんの歌をライヴのメインとして堪能したのです! 今まではフェスとかだったから細野さん以外にも主役はいましたからね(^^;; 僕は(というよりYMOファンのほとんどが)細野さんの声が大好きで、それを90分に渡り堪能できたのはなんとも幸せでした。

が、最初はPAと合わなかったのか、探り探りといった感じではありました。しかし段々調子良くなってきて、中盤は非常に良かったです。後半はさすがに疲れてきたのか、ちょっと声に勢いがなくなっていた印象を持ちましたが、それでも最後まであの美声の低音は衰えず。

バンドはやはり細野さんが選んだ人たちでしたから、当然のようにみんな上手かったんですけど、特にドラムがすごい。伊藤大地という人で、メロデイがあるというか、ストーリーがあるというか、文学があるというか、ドラマがあるというか。うまく言えないけど、とにかくあのドラムはカッコ良かったなぁ。やっぱりCDよりも断然良かったです。

そして、中盤でバンドメンバーがそれぞれ自分の活動でやっている曲のコーナーがあったのですが、伊藤大地とピアノの野村卓史の二人で組んでいるユニット、グッドラックヘイワがめちゃめちゃカッコ良かった。ミニマルなピアノにさっき言ったドラマティックなドラムが被さる。もう最高でした。

もちろん、ギターの高田漣は安定の上手さでした。やっぱり特にスチールギターがね、良かったですね。高田漣スチールギターは何回も聴いたことあるのですが、今回特にカッコよく響きました。高田漣聴くまではスチールギターってぶっちゃけカッコ悪いと思ってたんですよ。何よりあの横にして弾く感じがかなりダサいと。しかし、高田漣が弾くスチールギター聴いて、めちゃカッコいいことに気付きました。スチールギターってカッコ良かったんだなぁー。

そして最後、前座の人たちもみんな出て来て、出演者全員で「恋は桃色」を歌って大胆円。この曲が特に好きで、個人的な理由で自分の中では特別な曲なので、ラストは非常に感慨深かったです。