ある日、ツイッターを眺めていたら、METAFIVEの配信ライヴの情報が飛び込んできました! しかも発売中止になった幻のニューアルバム付き!
題して、「METALIVE2021」!
これはチケットを買わねばならん。
というわけで、イチも二もなくチケット購入! しかし、若干焦っていたのでよく読まず、特典付きの高額の方を買ってしまいましたw
1万4千円!
高い!
通常版チケットの倍くらいw
特典はオリジナルキーホルダーとアルバムジャケットのB2ポスター。
特に欲しくないw
僕はコレクターではなく、セレクターなので、これはちょっと失敗だったかな。この二つで通常より倍ってのは高すぎだよなー、さすがに。
特典付き、という言葉で「ああ、通常の方はCD付かないんだな」と勝手に翻訳してしまったんですが、通常チケットにもCD(もしくはレコード)が付いていたんですね(CDは欲しい)。
通常チケットにすべきだったw
やっぱり、人間焦りは禁物。次回からはよく読まないとダメですね。
しかし、結論から言うと、配信ライヴはもう最高! やっぱり日本を代表するスーパーバンドであることを再認識しました。
感想のその前に
そのスーパーバンドメンバーの一人、小山田圭吾が、この夏ちょっと色々ありまして。それで楽しみにしていたアルバムも発売中止。海外ではありえない、日本独自のガラパゴス的裁定が下されてしまったわけです。
まぁ、今回の問題については各人色々思うところあると思います。ただ、その「思うところ」は何を土台にしたものか。
元々掲載された雑誌の記事を読んでのものなのか?
その記事を編集した例のブログのみを読んでのものなのか?
或いは、ネットに拡散されたものやワイドショーを見てのものなのか?
或いは、文春掲載の小山田へのインタビュー記事を読んでのものなのか?
更には、CorneliusのHPに掲載された小山田のコメントを読んでのものなのか?
どれを読んでの判断なのか、そこで随分違ってくると思います。
個人的には、元の雑誌インタビューを読んでからの、文春インタビュー、或いは小山田のコメントを読んで判断したのなら、それはどんな感想を持とうが、良いと思います。
元の雑誌記事に対し、訴訟も起こさず、ここまで放置していた小山田圭吾にも非はあると思いますから。
個人的には、正直よくわからない、というのが本音です。というのも、被害者からのコメントが何一つ発表されていないからです。
今回の件は、結局『加害者』とされている小山田圭吾からの一方的な情報でしかないのです(雑誌記者の、事実と異なる編集はあったにせよ)。今のところ被害者、もしくは『共犯者』からのコメントは「広く」公には見られません。
様々な視点からの情報がない限り、何とも言えません。
そういう状況ですから、わからないと思いつつも、僕は一旦小山田のHPに掲載されたコメントを信じることにしました。だってその視点からの情報しか今は提供されていないんですから。
「いや、あいつの言うことは違っている」と、他の当事者からのコメントが発表されたら、その時にまた一から考えようと思います。
以下のライヴ感想は、そういうことを念頭においてのものです。
緊張感溢れてる!?
念願のMETAFIVEの配信ライヴ『METALIVE 2021』は、僕が初めてチケット買って観た超個人的記念すべき配信ライヴでもありました。
そして、正直、最初に小山田圭吾が映った時は、大丈夫か?と思ってしまいました。
そして幸宏がいない…。幸宏の復活を切に願います。
代わりのドラマーは、GREAT3の白根賢一。この人がまた良かった! さすが幸宏の代打です。
そんな感じでですね、最初のうちこそ緊張感がみなぎっていんですけど、曲が進むにつれ、徐々にほぐれてきた感じで、段々と熱いパフォーマンスになっていきましたねー。
小山田は、初めは、なんとなく居心地悪そうに弾いてるように見えてしまいました。
しかし、ギターを抱える彼は、段々と自然になってきて、熱い、夢中なパフォーマンスになっていったような気がしました。
やはり彼が居るべき場所はここなのだ、と。本来の彼の姿を見た気がして、どこかホッとするような気持ち。
しかし最初はそんな風に感じたこのライヴ、7月26日にZepp Yokohamaで行われた録画のもので、ライヴではなかったんですね。だから、曲順も配信された通りかはわかりません。
そういった僕が感じた、気持ちの流れ的なものは、果たしてメンバーのものか、観ているこっちのものか、曖昧でした。
で、結論から言うと、やっぱりそれは見ている側の僕の問題だったような気がします。
というのも、なんせ配信ライヴですから、アーカイブが期間限定で残るんですよね。それで、期限が切れる11月23日まで、毎日一回、PCだけじゃなく色んなメディアで、iPhoneだたり、iPadだったりで計4回観てw いや楽しかった。
このレベルのライヴをスマホで観れるんですよ! 逆に笑えませか?w 円盤だとそうはいかないですからね。やはりネット配信最高! さすが21世紀!
で、何回も観ていると、最初観た時感じたメンバーそれぞれの緊張、特に最初の数曲はそういう風に感じたのですが、そうやって改めて何回も観てみると、あまりそんなことはなかったような気したんです。
みんな、演奏中は結構ノリノリでやってるように見えたんですね。
つまりは、観ている側の勝手な思い込みというか、そんな風に思います。こうして改めて観ると、普通に日本一カッコいいバンドの、通常のライヴだったように思います。
なんとなくThe BeatlesのGet Backセッションを思い出しました。あれだけ仲の悪かったメンバーが演奏時は結構ノリノリで演奏していたようです。
なんというか、どんな時でも、音楽が鳴っている、鳴らしている時だけは、全てがチャラになるというか。
あと、カメラワークが良かったですね。忖度なし。『普通に』映していたのが非常に良かった。
最後、小山田が深々と長く、お辞儀をしていたのが印象的だったのですが、そして、それを特にアップにすることのなかったカメラ。素晴らしかったと思います。
ボーカル
やっぱり、小山田のギターは良いですねー。ものすごいテクニックがあるわけではないんですが、同じカッティングでも、聴き心地が良い気がします。
それに、変なギターソロ、変なスケールというか、やはり優れた作曲家ならではの、コンポーズされた、独特な発想が、素晴らしい。やはりセンスが半端ないと思います。
『Luv U TOKIO』が始まった時。僕の特に大好きな曲だったので嬉しかったのですが、なんと本来幸宏のボーカルパートを小山田が歌ったんです!
これには驚いたし、シビれた!
元々小山田の声が大好きということもありますが、ああいうことがあったので、大丈夫か?という思いも、正直あった。
でも、どことなく震え声のようにも聞こえた声は、何か「覚悟」のようなものを感じました。
この曲は、本来恋愛を歌ったものだと思うが、取り方によっては友情を歌ったものにも聞こえる。非常にグッと来てしまいました。
そしてやはり、小山田の声は良い。
本来小山田のパートででもあるかのようにすら聞こえる。
そして、幸宏、レオ、小山田と、三人も優れたボーカリストがいるこのバンドの恐ろしいまでの底力も感じる。ホントにスーパーバンド。
声と言えば、権ちゃん歌上手い! 今回、会長のコーラスパートの代わりをほとんど勤めていたのですが、なかなか深くて良い声だと思います。さすが音楽職人!
もう一人のスーパーボーカル・レオは、声も良いが、やはり良い顔w こうしてカメラでアップになると、イケメンさを再確認させられます。
メインボーカルは幸宏不在ということで、今回はレオだけになったからか、まさにセンターといった役所。そして普段はソロアーティストとして活躍しているだけあって、実に堂々としたステージ捌きでしたね。
小山田は他にも「TURN TURN」と「環境と心理」でも素晴らしいボーカルを聞かせてくれました。
「TURN TURN」はそれまでのMETAFIVEのライヴでも歌っていたけど、なんとなく遠慮がちに歌っている印象だったんです。でも、今回は力強く歌った。やはり何か覚悟のようなものを感じました。
そしてこの「TURN TURN」は元はsketch showのエレクトロニカで、ほとんど原曲のままに演奏してるのに、迫力のあるサイケロックになっていた。
素晴らしい演奏、アレンジ。
やはりそもそもsketch showの二人がロック畑出身だから曲そのものがそもそもサイケロックだったのもあるだろうし、このバンドメンバーの出自がロックだったということも再確認させられる(まりんとテイ・トウワは違うかもだけど)。
途中なんか「Helter Skelter」みたい!
あと、白根賢一の要素も外してはいけないと思います。彼のドラムがサイケロックさをより一層加速させていたように思う。素晴らしいドラミングでした。そしてイケメン。
そして最後の「環境と心理」は歌詞とも相俟って、グッときてしまいました。図らずも、小山田のプライベートな内心を吐露するように聞こえた。
そして、それは映像とも相俟って、誰にでも当てはまる広がりを感じました。
荒々しい!
また、METAFIVEは、ライヴでは各人、実はすげえ荒々しいことをやっていると思います。
非常に綺麗に、緻密に作り上げられたものを、音で『汚し』ていっているように思うんです。
例えば、ガンプラを組み上げて、銀のプラカラーで『汚し』を入れるよう。
汚すことで、ややもすると綺麗なだけの音楽に、『色』が付くというか。ガンプラに汚し塗装をすることで、リアリティ、存在感を与えるのに似ているように思います。
あと、ほとんどのメンバーが、それぞれの楽器をパーカッション的に使ってる気がします。「Don‘t Move」なんて、ボーカルすらもパーカッション。そもそも、小山田のギターは非常に打楽器的。
さすがに幸宏のバンドだなぁ、って思います。
で、そういう傾向を更に推し進めたのが、やはり今回代打として入った白根賢一だと思います。
常時、ドラムという「野蛮な」楽器が入ることにより、荒々しさが増しましたね。
しかもこのドラムが荒々しいようで、手数が少なく細かいことをやっているというか。
「野蛮な」楽器なだけに、逆に繊細さを出そうとしているというか、そのバランス感覚が非常にMETAFIVEに合っているような気がします。
「図らずも」白根賢一を「手に入れた」METAFIVEは、やはりどうしても今後を期待してしまいますねー。
そして、そんな荒々しさの最後に「環境と心理」が来ると、逆にその美しさ、切なさが際立つ。何ともニクい編成。
配信ライヴ最高!
ニューアルバムからの楽曲はほとんどなかったけど、それだけに久々に観たMETAFIVEを懐かしく感じ、嬉しくも思いました。
わずか一時間という短いライヴだったのですが、それもまた、先週のBUMPの時も感じたが、配信ライヴでは良かったかもしれない。
そうなんです。2週連続で素晴らしい配信ライヴを観れたんです。なんて贅沢!
そしてまた、配信ライヴがかなり良い!
分け隔てなく「特等席」で観れるわけだし、落ち着いて座って観ることができる。
環境は自分の部屋ということで快適だし、飲み物とかも、格安で好き勝手に飲める(今回飲まなかったけど)。
快適さ、という点では圧倒的に配信ライヴに軍配が上がりますねー。
また、ライヴ当日より数日間、アーカイヴが残るというのがもう最高。その期間、何度も楽しめる。
今後は配信ライヴの方が良いかもしれない。もちろん、現地は現地にしかない、変えがたいものはありますが。音響とかは特にそうですかねー。あと、何と言っても「すぐそこ」に本人たちがいるというのが燃える!
そして、11月23日の23時59分、配信終了まで残り5分、最後の曲はこの曲以外ありえない「環境と心理」を観て、見納めました。
このレベルのライヴを、DVDではなくネット配信なので、PCやテレビではなく、スマホで観ることができるという贅沢を噛みしめるためiPhoneで観ました。
0時を過ぎてもまだ再生できてびっくりしたけど、29分になったら、さすがに見れなくなっていました。