azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

NO NUKES 2012で脱原発!!


一週間前ですかね、NO NUKES 2012に行って参りました。脱原発を掲げたフェスです。こういう明確なメッセージを打ち出したフェスに行くのは初めてでした。フジロックなんかも脱原発について色々考えていますが、このフェスは脱原発というテーマありきということで、更にもう一歩踏み込んでるという感じがします。


そんなわけで僕なりの原発についての考え方を少々。こういうフェスに行くということからもわかるように、僕は当然の如く原発に反対です。大反対です。ちょっと考えれば反対にならざるを得ません。原発っていうのは、あの炉の中で常に核爆発を起こしているようなものです。しかも「絶対に壊れない建物」は存在しません。建物が壊れるのは地震津波だけではありません。老朽化だって考えられるし、人為的なミスだってあります。ミスを犯さない人はいません。以上のことを考えただけでもハイリスクであることがわかるのに、更に恐ろしいのは核廃棄物の処理方法が確立しておらず、現状地中深く埋めています。全然「処理」になってません。ブレーキのないダンプカーのようなものです。というわけで、僕は原発に大反対です。ちなみに、僕が原発に反対なのは福島の事故以来ではありません。もっと前、高校生の時からです。


まぁ、以上のことはこのブログの趣旨からは少々外れたことですので、このくらいにして、このNO NUKES 2012についてです。フェスのコンセプトもそんな感じで素晴らしいのですが、出演陣も豪華豪華。正直このフェスに行ったのも出演陣が良かった、というのが第一の理由で、これだけのメンバーが出てなかったら多分行ってなかったと思います。そして、各アーティストが脱原発に対して、それぞれ熱いメッセージを語ってくれました。そこにも感銘を受けましたね。


ただ、まぁ、こういうイベントだから仕方がないのかもしれないけど、ちょっと全体的な雰囲気は硬かったかな。僕は逆にこういうメッセージ性の強いイベントだからこそ、気軽に楽しめるフェスの方がいいなぁ、と思います。


さて、そんな感じでお目当てのバンドがたくさん出演したので、すっかり元は取った気持ちです! 素晴らしいフェスでした! というわけで、印象に残ったアーティストの感想をさっくりといきます。


先ずは一日目、フェスのスタートはASIAN KUNG-FU GENERATIONです。おそらく、このフェスは教授のRADIO SAKAMOTOという番組でのごっちと教授の対談があってのことなのではないか、と勘ぐっています。最近のごっちは環境問題などに対して積極的に発言をしています。こういう人気バンドの人がそういうことに対して言及するのは非常に意味のあることなのではないかと思います。ロックは様々な事象に対するメッセージだ、と思ってますから。で、この日の演奏は僕の好きな曲を結構やってくれて、楽しめました。アジカンって上手くもないし、変わったこともやってないけど、いい曲書きますね。特にライヴですごく盛り上がれる。


その次はソウルフラワーユニオンなんですけど、これは肉食バンドでしたね~。骨のついた肉をバクバク食ってる感じ。しかも生で。祭囃子や、沖縄民謡などをロックに取り入れたような感じで、すごく盛り上がりました。


元ちとせは、正直思ったほど歌上手くなかったなぁ(^^;; でも、バックの演奏が基本スリーピースで音数も少ないんだけど、間が持つんですね。やっぱり独特の存在感の成せる業なのでしょうか。あと「死んだ子ども」では教授がピアノで参加。この歌での元ちとせは気合が違う感じでした。もちろん、他の曲だって全力だったんだろうけど、気合って入れるものではなくて、「入ってしまう」ものだと常々思ってるんですが、これはまさにそんな感じだと思います。あと、「語り継ぐこと」を歌ってくれたのは嬉しかったなぁ。これはいい曲だと思います。


the HIATUSはそれまで詳しく聴いたことなかったんですが、結構いいバンドでした。細見武士は「the HIATUSは真っ向から原発反対です!」と熱いトークが炸裂してました。カッコ良かったです。


そしてYMOです! 結構前の方を陣取ったのですが、案の定、背の高い奴ジャマ(^^;; KRAFTWERKも出演するし、このフェスのテーマもあってかKRAFTWERKのカバー「RADIO-ACTIVITY(放射能)」からのスタート。そして、いきなり細野さんのボーカルです! 細野さんはやはりいい声。セットリストは以下の通り。


RADIO-ACTIVITY
FIRE CRACKER
SOLID STATE SURVIVER
中国女
千のナイフ
COSMIC SURFIN
ABSOLUTE EGO DANCE
東風
RYDEEN


この日は初期の曲を多く演奏してくれました。海外のツアーでもよく演奏していた曲。わかりやすいYMOの曲という感じですね。RYDEENもやってくれたし。この日のRYDEENは再々YMOの中では一番原曲に近いアレンジでした。でも、個人的にはもっとアタックの強いアナログシンセの音色でメロを弾いて欲しいです(^^;; う~ん、一頃のことを考えると我ながら贅沢な注文ですね~(^^)


そしてそして、ひょっとしたらこのフェス最大のハイライト、KRAFTWERKですっ! いや~、YMOの次にKRAFTWERKですよ! まさに奇跡のテクノポップ祭ですっ! 音的にはCDとほぼ同じという感じです。演奏はどうやってるのかな? 観客席からは楽器は見えず、メンバーは横から見るとT字型の卓の上で何やらいじってる様子。シンセなのか、シーケンサーなのか…。よくわからないですけど、昔から変わらぬ音です。変わらないことは良きことかな。YMO(特にRYDEEN…しつこい?(^^;;)にも、たまには昔の音色でやって欲しい気もします。


しかし、現在のこの二つのバンドのライブを続けて見て思ったんですけど、やはりこの二つのバンドは似て非なるものなのかな。KRAFTWERKはむしろ去年フジロックで観たChemical Brothersを彷彿とさせました。今のYMOKRAFTWERKはほぼ結びつかない感じですかねぇ。YMOKRAFTWERKの影響をモロに受けているとは思うのですが、そもそもの初めから違っていたんでしょうね。YMOは卓越した演奏者が機械を取り込み、そして機械と格闘する感じ。だけど、KRAFTWERKは技術者が機械を使って音楽を作る感じ、或いは機械そのものになる感じ。KRAFTWERKが機械だとしたら、YMOはサイボーグなんです。CDを聴いてもその違いは顕著なのですが、この日のライヴを比較したら、その違いはもっと明らかでした。KRAFTWERKは昔と変わらず機械なのですが、YMOはもはやサイボーグですらありませんでした。普通に人間です。バンドです。人間の音楽家が実験とポップスの間で格闘している感じ。


あと、KRAFTWERKは後ろの大画面に無機的な映像が流れていたのですが、これがメチャクチャカッコ良かった。ただ、その感じは再生YMOの東京ドームライヴを思い出してしまいました。KRAFTWERKがこのスタイルを取るようになったのは21世紀に入ってかららしいので、ひょっとしたら再生YMOを参考にしてるかもしれませんね。…ねぇか?


そして二日目なんですけど、9mm Parabellum Bulletは相変わらず良かったです。歌謡曲的メロが素敵ですね。途中、RYDEENを少しだけ演奏したんですけど、シビれた! ちゃんとベースラインもコピーしてましたね。ギターでメロ弾いてね。超カッコ良かったです。ところで、ギターの人は上手いんだけど、むちゃくちゃに動きまくってる。どうやって弾いてんだァ?! 「ロックバンドが夢を語らなくなるなんて、ナンセンス!」の一言は響いたなぁ。


ACIDMANなんですけど、前々からいいバンドだなって思ってたんですけど、ライヴを観るのはこの日が初めてでした。このイベント以前から脱原発に取り組んでいるらしくて、この日も彼ら独自のNO NUKEと書かれたTシャツを着ての演奏でした。


そして、NO NUKES 2012 忌野清志郎スペシャルセッション! 仲井戸麗市BAND+トータス松本坂本龍一です! トータス松本をボーカルに選んだのは教授らしいのですが、ナイスチョイスだと思います。よく考えたら、清志郎の曲のボーカルを任せられるのはこの人以外思いつかない。実際、なかなか良かったです。やはりトータスは歌上手いし、盛り上げるのも上手い。「い・け・な・いルージュマジック」聴けたのは最高! 観客も一緒になって歌いました。当然「雨上がりの夜空に」は大合唱。しかし、みんな言うけど、俺もやはり言わせてもらう。もし、清志郎が生きていたら、今、どんな活動をしただろう…。多くの人が勇気づけられたと思う。


で、山崎まさよしです。この人は大好きなんですけど、ライヴを観るのはJohn Lennon Super Live以来、…まるまる10年振りでした(^^;; 「セロリ」を生で聴けたのが最高! できれば「one more time, one more chance」も歌って欲しかったかなぁ。


そして脱原発と言えばこの人、斉藤和義! 「WAR IS OVER!」をもじった「NUKE IS OVER!」Tシャツを着ての登場! 「ずっと好きだった」から始まって、この歌すごくいい曲で好きなんだけど、「ずっとウソだった」じゃないので、若干残念感があったのだがwww、後で歌ってくれた! その時は超盛り上がった! よく言われることかもしれないが、清志郎亡き今、社会的メッセージをてらいなく、高らかに歌える人はこの人だけかもしれない。 このイベントでも色んなアーティストがそれぞれに脱原発への思いを話したり、歌にしたんだけど、やはりみんなどこかおっかなびっくりだったり、ぎこちなかったり、要は自分のものにできてない感じだったんだけど、この人だけはごく自然に等身大に、しかもカッコよくそういうメッセージを歌にしていたように思う。自分の曲を自分で替え歌にしてしまうくらいの人ですからね。そういったメッセージを伝え、歌うことを楽しんでるところもあるのかもしれない。これこそまさに表現の喜びというやつだと思う。


最後はもちろんYMO!! この日は二日目ということで前日の反省も生かし、非常~、にいい場所をGET!! 前のほうのエリアの柵の最前列!! いや~、見やすかった。過去のYMOライヴでは最上の位置確保だったように思います。この日のセットリストは以下の通り。


RADIO-ACTIVITY
LOTUS LOVE
THE CITY OF LIGHT
音楽
中国女
RIOT IN LAGOS
東風
RYDEEN
SOLID STATE SURVIVER


この日はちょっとマニア向けの曲が多かったですね。「音楽」を聴けたのはすごく嬉しかったです。それから久々に「THE CITY OF LIGHT」を聴けたのも良かった。この曲、好きなんですよね~。やはり一日目と二日目で曲目を変えてきましたね。やはり二日行って良かったと思います。それぞれにいいアーティストいっぱい出たし。僕的にはこのフェスは二日行くことが「必然」でしたね。


で、二日間を通してのYMOの感想なのですが、非常に生っぽくなりましたね。幸宏は全ての曲でドラムを叩くし、細野さんに至っては最早シンセベースを弾きません。それでいて、随分変わった音を出しまくってるし、今回のフェスのどのバンドよりも実験的というか、色んな変な音を混ぜてきてたように思います。逆に最近のバンドはもっとシンプルに聴かせたがってるように思います。それはそれでいいんですけどね、たまにはYMOみたいな実験的かつ前衛的で、それでいてポップなバンドがあってもいいと思います。ただ、「東風」はシーケンサーを走らせてたのですが、この曲こそ同期なしの生演奏で聴きたかったですね。まぁ、二日間ということもあって、これまでの再々生YMOの集大成的な内容でもあったように思います。


で、今回のフェスで思ったのは、ライヴは前で見るか、PA付近で見るか?ということです。さっきも書いたように、今回頑張って前の方で観れたのですが、正直音があまりよろしくなかったんですね。細野さんのベースの音はボワンっとした感じだったし、教授のシンセの音とかも、アタックの弱い、モワ~ンとした音で、「もっと鋭い音の方がいいのになぁ」なんて思って。そしたら、後でYouTubeに上がってる映像見たら、結構いい音させてんですよ! やっぱ前の方で観るよか、音を調整してるPAの近くで観た方がいい音で楽しめたでしょうね~。前の方で好きなアーティストの姿を拝むか、PAの近くでいい音で生演奏を楽しむか。悩ましいところですねぇ。


まぁ、そんな感じで、色んな意味で、いいフェスだったと思います。