少年メリケンサックプロモーター
「少年メリケンサック 」を観たんですけど、すごく面白かった(^^) クドカン が監督するということで、「真夜中の弥次さん喜多さん 」がいまいちだったので、あんまり期待してなかったんですけどね。「クローンは故郷をめざす 」と今年の1、2位を争う感じですね~。それくらい良かったです。「アイデン&ティティ」も良かったし、クドカンのバンドものはいいなぁ~。つーか、どことなく「アイデン&ティティ」を彷彿とさせる(監督の田口トモロヲも出演してるし)。あと、なんとなく「デトロイト・メタル・シティ 」も思い出してしまいます(^^;; でも、当初は昨年の秋に公開予定だったらしいんですけどDMCと被るってんで、時期をズラしたって噂もあります。でも、DMCはメタルでSMSはパンクだから音楽的には違うんですけどね(^^;;
宮崎あおい がすごく良かったですね~。こういう役をやったのは初めてだったんじゃないですかね。でも、あのハイテンションっぷりがすごく板についてる感じで、彼女の作品の中では(そんなに観てないけど)一番いいんじゃないでしょうか。本人的にもクドカンの大ファンだったらしく、そこらへんの思い入れの強さも演技に出た感じなんじゃないでしょうか。とにかくハイテンションで泣くわ怒るわ笑うわイチャイチャするわ逃げるわ(困るとすぐ逃げます)ウンコまみれになるわ、もう大変。何つーか、もう、可愛くってしょうがない。
他の出演者も良かったですね~。とりあへず佐藤浩市はカッコよすぎ。怖くてブッ壊れてて情けなくて、でもカッコよくて。カッコいいよなぁ~。今、カッコいい不良中年やらせたら右に出る者はないんじゃないでしょうか。少年メリケンサックのドラムが石鹸(三宅弘城)ってのもグループ魂 ファンとしては嬉しい限りです。他にもユースケが良かったり、田辺誠一 が面白かったり、あとやっぱり峯田和伸 はいいなぁ~。
それで、映画的にはバンドやってる人が観ると特に面白いんじゃないかなーと、思います。バンドのあり方みたいなものも「さもありなん」って感じで描いてるし、あの年になってまでバンドができるって、やっぱ羨ましいですよ。アラフォーどころかアラフィフティですからね(おっとぉ。この単語使ったのは俺が初か?)。あの年でメジャーデビューの話が来て(間違いだったけど)、全国ツアーまでできる。ある意味バンドマンの夢なわけです。でも、少年メリケンサックの面々は夢が叶うことによって色々と現実という悪夢を見させられるわけです。50代ともなるとそろそろ人生崖っぷちが見えてくる(多分)。でも彼らなりに必死になってやるわけです。一方、崖っぷちの契約社員である宮崎あおいも新人バンドをデビューさせる、という夢を叶えたことによって、やはり悪夢を見させられてしまいます。途中何度も逃げるけど、それでも必死になって売り出そうとするわけです。夢を夢で終わらせずに現実とした上でそこに立ち向かっていくのがグッきます。このプロモーター(で、いいんだと思う)とバンドの崖っぷちの必死さと崖っぷちの必死さのぶつかりあいが最後にあだ花を咲かせるというか、そういうのが、なんかグッときますね。あと、冒頭の方の兄弟がギターを練習する姿がラストに繋がってるのが、すごく良かったですねぇ~。
あと、ライヴ中、思うようにいかなくて「ヤバい」という雰囲気がやけにリアルでした。何か他人事には思えなかった。
少年メリケンサックメンバー