「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」を観たのは、ポール・マッカートニーが出るという理由だけです。
それまでは全然興味なかったんですよね、パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ。
もう、ポールだけ観ればいいから、と。あとはやっぱりジョニデ。これはやっぱり観たいです。
もう一つの理由としては、当時、年パス貴族だったワタクシはディズニーリゾートに入り浸っておりまして、そのシーのイベントがパイレーツ・オブ・カリビアンだったんですね。じゃあ、せっかくだから観ようか、というのもありました。
そんな感じで、あとは別に、映画自体には特に興味はない。
面白かったー。いや、めちゃくちゃ面白かった。
やっぱり人気シリーズは面白いですね。
ハリウッド版8時だヨ全員集合!?
だから、初めてパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズを観たんですけど、ジョニデが出るだけのことはありますねー。もっと早くから観ておけば良かった(笑)
全体的な印象としてはドタバタコメディ。めちゃくちゃ金をかけたドリフのコント、という感じですかね。
もう、発想が豪快だし、多分最初の方の銀行強盗のあれ、多分CGあんまり使ってないんじゃないですかね。ほとんどセットであれだけのシーンを撮っているのではないでしょうか。めちゃくちゃ金と時間と手間暇かけてるような気が。
ハリウッド伝統のドタバタギャグと巨大産業にまで成長した映画界の良いとこ取りですよね。漫画映画を実写で撮ってしまった、って感じ。
テクノロジーVS精神性?!
また、CGの使い方も良かったですね。
最近よくあるような、あまり派手で「いかにも」な使い方をしてなくて、割と自然な形、あくまで補助的な役割で使ってるのが良かったと思います。
あと、海賊の世界がファンタジーな世界であるというのもいいですよね。剣と魔法の世界というか、最近のムーブメントで言う『異世界』ってやつに近い。
特に本作の舞台は科学絶対主義が台頭し始めた時代で、呪いとか幽霊などを全否定する世界設定がされているところが一つ対立の構造ができてて、その、ある種イデオロギー的な対決も面白いところだと思います。
この、科学か魔法か、の対立が、現実の撮影かCGか、の上手いバランスの本作と、どこか通じるところがあるような気がします。テクノロジーと精神性というか。
ジャック・スパロウがダッサい(笑)
それと、予想に反してジャック・スパロウが、かなりダサい感じだったですね(笑)
ジョニデが演じるし、もっとカッコいい役かと思っていたら、割と情けない人で。
そしてそれがすごくカッコ良かった!
そのダサくて、情けない感じが、逆にカッコいいんですよね。ジョニデだからかもしれないけど(笑) 逆に、そこはさすがジョニデ、といったところえしょうか。
最近は色々とジョニデは災難続きというか、「ファンタスティック・ビースト」でもまさかの降板だし、せっかく俺が面白いと思った、この「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズも、これで最後っぽいし。
でも、まだまだこれからも活躍して欲しい、と個人的には思っております。
やっぱりポール!
まぁ、でも、この作品のハイライトはやっぱりポール・マッカートニーでしょう!
実は本作は、ポール初の本人役以外での出演ということなんですねぇ。これはかなり歴史的なことだと思います。
だって、ポール・マッカートニーですよ!
そのレジェンド中のレジェンドが、衣装着て、演技して、ジョニデと共演するってんですから、これはもうそれだけでフェスティバルです。カーニバルと言ってもいいでしょう! カーニバル&フェスティバル!
出番はもちろんあんまりないのですが、出演していただくだけで涙モノです。
しかも役どころとしては、ジャック・スパロウのおじさん! 人物相関図的にはなかなかのポジションなのです。
そして、なんといってもポールが歌っていた曲!
正直、観た時は何だかわかんなかったのですが(←)、最後のクレジット見たら、なんとビートルズ時代にカヴァーしていた「マギー・メイ」!
この選曲が絶妙すぎですよね。
「マギー・メイ」はリヴプールの伝統的な舟歌なんです。まさにこの映画で歌うに相応しい選曲。
これはポールのアドリブなのか、そういう演出なのかはわかりませんが、そういう細かいところの選曲まで、思わずニヤリとしてしまうのが、何とも素晴らしいと思います。