azzurriのショッピングレビュー

azzurriのショッピングレビュー

僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「鬼滅の刃」第十九巻ネタバレ有り感想。ドラマのあるバトルシーン!!


鬼滅の刃」全巻感想というこのマラソン企画。遂に、第19巻まで辿り着きました!

19というと、もうほとんど20ですね。つまり、ほとんど20巻まで読んだことになります!(←)

そんな19巻なんですけどもね(どんな?)、今回もまた、なかなかの展開で。非常に読み応えありましたねー。

ここに来てちょっとね、物語上の疑問点も少し、浮かんで参りまして。ひょっとして伏線なんじゃ…?という感じで。まぁ、ほんのりと、ですけども。

いよいよもってこの続き、全23巻ですから、ラストスパートまでが気になります。

f:id:azzurri10:20220220212434j:plain

三人の勝利

先ずこの巻では、はじめに上弦第二位との鬼の決着編となるわけですが、この倒し方がね、まさかまさかの大意表を突くもので(頭の良い人なら、かなり前から気づいていたかもしれませんが)。

ほぼ決定打となったのは、毒ですね。例の、鬼が苦手とする藤の花の毒。

これをですねー、どうやって服用させるかというと、しのぶさんです。何を言ってるのやら、という感じですが読んだ人なら納得でしょう。

高濃度の毒の塊(なんでも、鬼の致死量の70倍…、いや700倍の毒だそうです)となったしのぶさん自身を鬼に喰わせる、ということだったんです! いやー、この展開は驚いた。

だから、17巻でしのぶさんが喰われた時、我々読者は沈痛の思いだったのですが、その実、それはしのぶさんの作戦が成功した瞬間でもあったわけです。

これは作戦ですから、カナヲは知ってて戦っていたわけですね。なんというか、やるせない思いになってしまいます。

それで、作戦通り毒は功を奏するのですが、その毒が効いた時のコマがですね、怖いんです。

要は、鬼の顔が溶けて、眼球が落ちるんですけど、眼球が落ちてブランブランしてるもんですから、後ろの景色が見えちゃうんですね。だから、コマが斜めに分割されて、右は正面、左は後ろの景色が写っています。

しかもこれ、ページめくる前の左下の小さなコマなんですよ。そこにさりげなくね、描いてあった。読んでて、「あれ?」って思ったんですけど、ページめくると童磨の顔が溶けているというね。そこでわかるんです。あぁ、そういうことか、と。これは怖かったですよ。

でも、相手は上弦第二位の相手ですから、それでもなかなか倒せないんです。でも、なんとか倒します。カナヲは極限まで鍛え上げた目で動きを見切り(そのせいで片目を失明してしまいます)、伊之助は刃こぼれ刀を投げて、そのギザギザが最後カナヲの刀を「押す」ことで、鬼の首を斬ることに成功します。この連携の演出が素晴らしかったですね。

しのぶとカナヲだけではこの鬼を倒すことはできなかったでしょう。伊之助の助力がなければ倒せなかったと思います。だから、サブタイトルは「三人の白星」。

ここで「金星」としなかったのがポイントですよね。実力的に言えば金星かもしれないけど、三人が合わされば不可能ではない、それは当たり前の白星となる、というか。

回想でのしのぶの台詞が伏線になっていましたね。上弦の鬼は柱三人に匹敵するっていう。まさに「三人」の白星でした。

azzurri.hatenablog.com



上弦第一位はチート

そしてこの巻での壮絶なバトルと言えば、いよいよ上弦第一位が出てくることですよね。

無一郎、玄弥、実弥、悲鳴嶼さんが次々と挑んでいきます。しかし、無一郎、実弥は、その実力を認められはするものの一太刀も入れることができません。玄弥の奇襲も失敗してしまいます。しかし、悲鳴嶼さんが一太刀入れます。さすが、最強とも目される柱!

そうなんです。めちゃくちゃ強いんですよ、この上弦第一位。それもそのはず、この鬼、実は始まりの呼吸の人だったんですよね。それがどういうわけか鬼となってしまっていて。だから、鬼のくせに呼吸を使うんです。ただでさえバケモノなのにそれが呼吸使うってんだから、そりゃバカ強いはずです! チートと言われても反論する権利はないですよ、この鬼。

バトルはホント、壮絶で、無一郎はいきない腕を一本切り落とされてしまいます。この展開は衝撃的でしたね。もうなんか、ホント、無一郎のカラスじゃないけど、誰か助けてー!って読んでて思う、マジで。で、まぁ助けには来てくれるんですけども…。

ちなみに、無一郎が何もできなかったのは、天才ゆえということだったみたいですね。実弥曰く、経験がないと一位の鬼の攻撃は避けられないそう。無一郎は天才なので、経験を積まずに柱へと昇り詰めました。その才が、今回は徒となってしまったようです。

こういう展開も面白いですよね。細かいながらも、よく練られてんなぁ、って思います。逆に、こういう細かい丁寧さが、全体の面白さに繋がってくるんですよね。

それにしても悲鳴嶼さん強ぇw この巻最後の話はほとんど、悲鳴嶼さん無双の回、って感じでしたよね。第1位の上弦すら刮目する強さを見せつけます。

そんな感じで、この巻は全編バトルシーンと言ってもいいくらいだったんですけど、こういうバトルシーンが目白押しなのはいかにもジャンプ的演出ですね。

ただバトルの見せ方がね、グッと来るんですよね。

ドラマのあるバトルシーン

戦いの最中に、ちょいちょい回想シーンを絡めるんですよね。それがね、すごいグッと来て、バトルにこう、グッと引き込まれる最大の要因だと思います(擬態語ばかりでごめんなさいね)。

バトルシーンと回想シーンとのカットバックが、より感情的なバトルとなるんですね。こうすることでバトルにもドラマが生まれるのだと思います。だから、バトルも含めてのドラマというか。

「ワンピース」なんかでも、回想シーンがすごくグッとくるけど、「鬼滅の刃」の19巻の場合は、それをカットバックで使ってくるんですね。

だから、同じ一太刀でも、そこに想いを感じるというか、見ているこっちも、その一太刀一太刀にグッと、こう、気持ちを乗せてしまうというか。一太刀打つと、回想シーンが入り、回想が明けると、また一太刀打つ。

あぁ、彼女の、彼の一振りは、そんな想いがあっての一太刀なんだなぁ、と思えるわけです。だもんだから、こっちも、読んでて熱がこもってしまうんですよね。

童磨とカナヲ

童磨は結局、今際の際でも、何も感じることができませんでした。

しかし童磨は、最初から何も感じなかったのでしょうか?

童磨と最後に対決したのはカナヲでした。カナヲもまた、感情の起伏が少ない子です。しのぶのお姉さんが童磨にやられた時も、泣けなかったという描写がありました。

そしてその感情の起伏が少ない原因は、泣くと大人から暴力を受けてしまうからだそうです。カナヲは何かを感じることを制限することで、生き延びてきたんですね。つまり、感情を持つことを捨てた、もしくは諦めた子だったのだと思います。

童磨は生まれた時から感情がなかった、ということは書いていませんでした。逆に、昔は感情があった、という描写もなかったのですが。

そして童磨の家庭は、かなり殺伐としたものだったことが童磨の回想で語られています。ひょっとしたら童磨も、もっと幼い頃、ひょっとしたら物心つく前に、何かを感じるのを諦めた子だったのかもしれません。

童磨の最後の相手は、なぜカナヲでないといけなかったのか。多分、二人は似てたから、というような気がしてしまいます。同じものの表と裏というか。

カナヲはしのぶたちに拾われた。一方、童磨は鬼舞辻に拾われてしまったのです。

童磨が何かを感じるのをやめたのが物心つく前だとしたら、回想できません。回想シーンが描けないんですね。だから、カナヲに照射させることによって、童磨の過去をあぶり出そうとしたのかな、なんて思ってしまいます。

あと、童磨はやたらと女を喰ったらしいのですが、なぜなのかな、と。それは女好きだった父親の血がそうさせるのか、それとも母親との間に何かあったのか。童磨が女をやたらと好んで喰っていたのは、何か理由があるような気がしてなりません。もちろん、以前の巻で「女性は栄養がある」的なことを言っていましたが、それだけなのかなー?と思ってしまいます。

作者の考えは悪役から語られる

また、やはりこの作品世界では天国と地獄があるようですね。

童磨が「天国も地獄もない」というのは前フリで、童磨が死んだ時、しのぶと会っています。そして、しのぶは天国で姉、そして両親と再会します。

ただ、やはり作者・吾峠呼世晴の考え方としは、童磨から語られた「天国も地獄もない」という話だと思います。

それにより、この世の理不尽というか、やるせない思いを吐露しているというか。そういうものを作らなければ人は生きていけない、というのが作者の本心なのでしょう。

作者の本音は多く、悪役から語られると思います。

その一方で、この作品世界の設定は、作者・吾峠呼世晴の願いでもあるような気がします。

だから、童磨の「天国も地獄もない」という話を伊之助が一喝して打ち消してくれたのだと思います。伊之助は作者の願いなのかもしれません。

その他雑感

表情の表現

表情の表現が相変わらず素晴らしいですね。今巻ではしのぶがカナヲに、とどめを刺すように言うシーンの、なんとも言えない、希望のような、それでいて哀しいような、そういう微妙な表情が、ホントに素晴らしい。

甘露寺蜜梨は楽しい

今巻では、上弦2位、そして1位の他に、第4位との対戦があります。しかし、まだそれほど大きく展開せず、ほんの序盤が描かれたにすぎませんでした。

上弦第4位の鬼と相対するのは、我らが甘露寺蜜梨と蛇の人。

ただ、なんというか…この巻ではちょっと面白い雰囲気になっていますw

壮絶なバトルに挟まれているので、ちょっとした箸休めといったところなのでしょう。ただし、そこは「鬼滅の刃」。油断はできません。

一位の上弦には兄弟がいるのか

玄弥のピンチのところを、実弥が助けに来ます。そして、一位の鬼は兄弟で戦う二人のことを「懐かしい」と称します。

彼にも誰か、兄弟がいるのでしょうか。そして、その兄弟とはどうなったのでしょうか。

鬼殺隊は鬼になるのか?

そしてこの上弦第1位の鬼。さっきも申しましたが、元は鬼殺隊(違うかもしれないが)でありながら鬼へと転んでしまった人です。

善逸の兄弟子も、鬼殺隊でありながら、鬼となってしまいました。

ジェダイもそうですが、やはり強さを求めてしまう人は、ダークサイドに落ちてしまうのでしょうか。

或いは、鬼と鬼殺隊は、何か親和性があるのでしょうか。

或いは、一位の鬼が無一郎の痣を見て、何やら思うところがあるらしいのですが、痣と鬼とは何か関係があるのでしょうか。

このエピソードになってからの、鬼殺隊側からの鬼へと転んでしまう人がもう二人。何かありそうな気がしますが、どうなんでしょうか。


 

azzurri.hatenablog.com

azzurri.hatenablog.com