azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「赤い風船 / 白い馬」ネタバレ有り感想。究極の映画美を追求!!

綺麗!


赤い風船/白い馬 」を観てきましたー。「赤い風船」という映画と「白い馬」という映画の二本立てですね。休憩挟まず一気に上映するという方式でした。両方とも1950年代の映画で「赤い~」はカラー、「白い~」はモノクロの映画だったんですけど、映像が綺麗ですっげー良かった! まさに映像美ですね。「この時代によくぞこれだけ!」っていう感想と「この時代だからこそ」という感想の二つが同居してる感じですかね。

 

「白い馬」はフランスの美しい湿地帯を舞台に馬と少年の交流(?)を描いた作品なんですけど、まずこの少年が美しい! 美少年とはまさにこのこと! 究極ですね~。昨今のビジュアル系が裸足で逃げ出す美しさ! 最初、少年が手漕ぎの舟に乗って登場するシーンは「おお!」とか思ってしまいました。馬は正直ねー、白くていいんですけど、サラブレッドじゃないみたいで、腹がぼってりしてたりして微妙な感じなんですけどね(^^;; そこはやっぱりサラブレッドの美しさには敵わないといったところでしょうか。で、この白黒の映像というのがむしろこの映画のためには良くて、この時代の白黒ならではの美しさですね。で、もっと言ってしまえば「白」といった印象で、少年の衣装も白だし、住んでる家も白、もちろん馬も白だし、舞台も広い湿地帯なんで、果てしなく白の平原が広がってる印象で、空も白い印象があるんですよね。で、その中を水飛沫を上げて馬と少年が走ってくんですけど、それがまた綺麗で。ホントに綺麗な映画でした。

 

「赤い風船」の方は逆にカラーで街中。映像的には「白い馬」と好対照を成している感じですね。これは少年と大きな赤い風船との交流(!)という内容で、風船の赤の色が強烈な印象を放っていますねー。で、この風船が生き物のように動く(飛ぶ?)んですよ。少年が行く先々に人懐っこくついていく感じで。やたら艶も出てるし、CGみたいな印象がありますね。ただ、もちろんこの映画が作られたのは50年代だし、CGってことはなくて、ちゃんと本物らしいんですけど。どうやって撮影したのかとか、すごい気になりますね。だから、逆にCGの技術が発達した現在も安易にCG使っていかにも作り物っぽい映像にするんじゃなくて、手作りでできるかどうか、ギリギリまで考えてみた方が、面白い、美しい映像ができるのかもしれませんね。

 

で、まぁ、映像的には好対照なこの二作品なのですが、内容的にはかなり似ています。少年と「人間以外のもの」の交流、その「人間以外のもの」を他の人間が捕まえようと追いかけ回す。そして最後は「人間以外のもの」が少年をあちらの世界へと連れ去ってしまう。物語の作り方としては「理想郷へ行く」くらいの感じなんだけど、残された家族とかのことを思うと「連れ去る」という表現は間違っていないと思うし、観ててもちょっと怖かったです。

 

この映画は「映像」作品であることをよく知っている作品であると思うし、映画の「光としての美しさ」をすごく追求した作品でもあると思うし、場の設定もすごく魅力的なので、綺麗な映画が好きな人にはすごくお勧めです。