azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「ファースト・マン」ネタバレ有り感想。英雄ではなく、人間としての最初の月面着陸。

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2019年は宇宙をテーマにした映画も印象深いものがありました。一つは「アド・アストラ」。そしてもう一つが「First Man」。


前者はフィクション、後者は実話を元にした映画というのも対照的(?)で面白い。また前者はブラッド・ピット、後者はライアン・ゴズリングという俺の大好きなスター俳優という点でも、非常に俺得な映画ということも言えるでしょう(←)。

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視覚効果スゴすぎ

さすが視覚効果でオスカーを受賞しただけのことはありますねー。迫真性すごかったー。

特にコックピット内の描写は圧巻でした。割と粗雑な作りで、こんなもんで誰も行ったことがない月に行こうというのか、マジ大丈夫なん?と思わせるような代物であったのが意外。

それに対する怖さもあったし、その機材が打ち上げられるとガタガタと軋むんです(^^;; その感じがまたすごいリアル。カメラは徹底してコックピット内部からの視点しかなくて、外界は狭い窓から空が見えるのみ。もう、不安しかない。それを容赦なく迫真性をもってリアルに描写するんですよ。これマジ怖かった。

最先端の映像技術、というよりは手間暇かけて丹念に映像を積み重ねていく感じが迫力を生んでいました。思うに、リアルな映像はCGを使えばよいというものではないんですんね。考え抜いて、観察し尽くし、映像を重ね、時には長く回したりと、丁寧に作っていくことが重要なのではないか。そう思いました。

そして、その狭いコックピットの中の人物の無表情の中にある緊迫感や不安を表現した役者も見事でした。

クライマックスの月面の描写はCGを使っているとは思うんですけど、これまた劇場の大画面もあって、実際に月世界旅行をしているかのような映像美でした。アトラクションの感覚に近かったかな。

アポロ計画は無謀な挑戦だった?

意外だったのは、月に行くまでにアメリカは何人もの飛行士を犠牲にしてきたことです。この事実は知りませんでした。ここまで犠牲にしているとは思いませんでした。

映画を観てると、どうもそれもこれもソ連に対するメンツのためだった、ということが示唆されています。宇宙開発において圧倒的に負けている背景が無理な計画を遂行させていたのかもしれません。

また、金だけかかって成果が出ず、そればかりか犠牲を数多く出す政府に対し、人々がデモを行うシーンもありました。月面着陸に成功した事実を知っている歴史の遠近法的な視点から見ると、かなり意外な事実です。もっと、英雄視され、それこそオリンピック代表みたいなノリで国を挙げて応援していたのかな、と思ってました。

でも、当時の状況からすれば、デモをするのも当然の行動だったのかもしれません。

しかし、それと月面着陸の偉業は別だとも思うのもまた事実。ニール・アームストロングら三人のクルーの偉業は色褪せることはない、と思います。

英雄として描かなかったのが素晴らしい

また、主役であるニール・アームストロングがほとんど怒っていたり、ナーバスになっていたりしていたのが印象的でした。

記者会見でもあまり威勢の良いことは言わないし、表情も優れない。今でこそアームストロングは人類で初めて月に降り立った英雄としてその名を歴史に残していますが、この映画は決してアームストロングを英雄然として描いていないんです。ひとりの人間として描いています。月面着陸という無茶な計画の最前線に立つ人を丹念に描いている。そこがこの映画の素晴らしいところだと思います。

この映画は人類初の月面着陸という偉業の裏で何が行われていたか、その負の面を描いた作品とも言えると思います。だからこそ、月面着陸は偉業なのだ、と言いたいように思います。

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