azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「GODZILLA 決戦機動増殖都市」ネタバレ有り感想。論理か感情か?人間らしさを問う。

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期待と、そうは言いつつもやっぱり少しの不安を抱いて観に行った「GODZILLA 怪獣惑星」、通称アニゴジの第一作は、期待通り、そしてまた予想を裏切り、大傑作でありました。

そして、今度は100%の期待で迎えたアニゴジ第二弾「GODZILLA 決戦機動増殖都市」だったのですが、これまた予想の斜め45度を行く快作でした!

いやあ、今回も非常に面白かった!

小美人登場!

前作のラストで、主人公たちを助けてくれた謎の種族は「フツア」ということがわかります。

そしてこのフツアが「モスラ」に出てくるインファント島の部族をなぞらえたものだということがわかってテンションがいきなり上がります! そうだよね!と。

もちろん、フツアの双子の女の子は小美人を模したキャラクターでした。キャラデザもとても可愛くて、ナイスです。

しかも、人類が地球を脱出してから2万年が経過した中で、どうもフツアは人類の生き残りではなく、新しい種族なのではないか、という謎が立ち上がります。彼らは鱗粉のようなものを纏っているという…。

これはまさにモスラじゃねえか!と思って更にテンションが爆上がり。こうやって旧作をカリカチュアしつつ、新たな展開に持ち込むという演出は、オールドファンにはとても嬉しいし、上手いですね。

そしてまた、「ビルザルド」という極度に科学技術が発達した宇宙人種族がフツアのことをしきりに「虫けら」と言うのですが、これはえてして文明人が持ちがちな差別意識への批判と、もう一つ、フツアがモスラと関係があることを臭わせるダブルミーニングでもあるのでしょう。

ここがわかるとちょっとニヤリとしてしまいますね。お前らバカにしてるけど、その虫、スゲエ強ぇぞ、ってね。

メカゴジラ登場!?

そして今回はメカゴジラゴジラと対決する、というのがメインなのですが、いわゆる「メカゴジラ」は出てこないんですねぇ。ここを評して文句言ってる人いっぱいいるみたいですが(^^;;

今回はメカゴジラは「ロボット怪獣」としてではなく、かつて起動前にゴジラに破壊されたメカゴジラを元に「メカゴジラシティ」としてゴジラを殲滅するという斬新なアイデアメカゴジラをそのまま出さずに要塞都市として登場させる点がにくい。よく考えたなぁ、と逆に僕は関心してしまいました。だって、ゴジラ対メカゴジラなら、過去何回もやりましたからね。

レアメタルという、ビルザルドが開発した物質が文字通り増殖して都市を作っていくんですけど(そこらへんの原理はさっぱりわからない)、それは、現実にある都市とは、区画整理やビルの高層化を通して増殖していくもので、ある種生き物のようなものであることの比喩のように思えます。

加えて、都市とは「人工」「文明」であるものの最たるものとも言えます。

そんな「都市」を「メカゴジラ」として自然の破壊神たるゴジラと対決させるのはある種「正しい」発想とも思えたんですね。

そもそも西洋の城塞都市は自然の一部を自然から切り離し、対自然への人間の意志の象徴でもあったように見えます。

今回の話は人工(つまり人間)対自然(つまりゴジラ)というテーマがかなりわかりやすく提出されている、と言えるかもしれません。

ロボット登場!

そんな感じで、メカゴジラは出ないものの、メカゴジラを作ったレアメタルを使用して、空飛ぶロボットを三体作ったのは胸熱でしたねぇ。

デザインもカッコいいし、これはもうほとんどロボットアニメと言っていいんじゃないでしょうか。

ゴジラ対ロボット(メカゴジラがありましたが、あれは『ロボット怪獣』。そうではなく、ロボットヒーローアニメに出てくるようなやつ)、という、よく考えたら初の対戦だったわけです。

スピード感溢れる空飛ぶロボットとゴジラ放射能火炎の対決は実に見ごたえがありました。

次はキングギドラ登場?!

で、今回そんな風にして主にストーリーに絡んでくるビルザルドという種族の他にもう一つ「エクシフ」という宇宙種族がいるんですけど、彼らは地球人と同じように怪獣に文明を滅ぼされた、というバックボーンがあります。

そして今作の最後に、そのエクシフの文明を滅ぼしたのが、「ギドラ」ということがわかります。

キター! キングギドラ! わかっていたけど、やっぱり嬉しい!

基本、エクシフは宇宙人なので、英語である「キング」を冠さないところが自然ですねw ここら辺の言葉のチョイスって大事ですよね。

ちなみに、初代メカゴジラの腕にはブラックホール第三惑星人が作ったにも関わらず「MG」と英語での意匠が施されています。地球人に対するメッセージですかね? メカゴジラという名前を付けたのは宮島博士という地球人なので、盗聴されていた可能性もなくはないです。ちなみに「メカゴジラの逆襲」では腕の意匠が「MG2」となっているあたり細かい仕事しますね、ブラックホール第三惑星人。

話を戻すと、このエクシフはキングギドラ初登場時の金星人をなぞらえたものだったんですねぇ。これで役者は揃いました! まぁ、ハナから揃ってはいたんですけど、揃っていたことが判明しました!

これぞアニメならでは!

それにしても、今回もアニメなのに、凄まじいまでのゴジラの巨大感をうまく演出していたと思います。

大迫力のゴジラを描き切っているし、アニメ最大の武器である、「あり得ないほどの大きなスケール」を如何なく発揮しています。

ゴジラをアニメ化するに当たって、「アニメならでは」という要素で存分にゴジラを表現しているなぁ、と今回もまた思わせてくれました。

ここだけでも、ゴジラをアニメ化する意義はあったと思います。かつてないほどのスケールのデカいゴジラ

人間らしさとは、論理か、感情か?

そして今回もまた、人間論にまで言及している点も見ごたえがありました。

人間らしさとは、論理か、それとも感情か。優れた文明を持つものはどちらをより強く持つものなのか。そんな問いかけがなされたように思います。

そしてこの映画では、論理よりも感情を持つ者こそがより上位の文明を作るのではないか、という答えを出した、と僕は見ました。

論理だけを突き詰めてそれらを捨ててしまうと、それは怪獣、つまりは自己破滅へと至り、人ではなくなってしまう、という結論であったように思います。

そういえば、岡田斗司夫チャンネルのブレードランナー特集で、原作のブレランのテーマは「人ではない、人らしきものを破壊すると、人間性を失う」ということだ、という言及があったことを思い出しました。

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論理的に考えれば「人でないもの」をいくら破壊したところで、特に困ることはないと思います。しかし、人ではなくても、それに似たものを壊してしまうと、その人はもう人ではなくなってしまう、というのはそれは感情であるように思います。

ここらへんも論理である言葉を使って説明するのは難しいけれど、感情で、言葉を使わずに「思う」と、なんとなく理解できるような気がしてくるのです。

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