2019年はアニメの大当たり年だったわけですが、洋画のアニメも超元気。
というわけで、今回はそんな洋画アニメの中でも特に僕の心の琴線に触れまくった「スパイダーマン:スパイダーバース」の超個人的な感想を述べさせていただきたいと思います!
予告編
とにかくスタイリッシュ! カッコいい!
まぁカッコ良かったですねぇー! とにかくスタイリッシュ!
これだけ「スタイリッシュさ」にこだわったアニメはかつてなかったんじゃないでしょうか? デザインや動き、仕草、台詞なんかもいちいちスタイリッシュなんですけど、僕が特に「お洒落だなぁ」と思ったのは文字!
台詞とか効果音とか、とにかく文字を画面中に多用してたんです。これがめちカッコよくて。
ホント、アメコミの世界ですよね。だから、基本的には「マーベルのスパイダーマンのアニメ化」じゃなくて、アメコミの世界を3Dアニメで表現した感じだと思います。
スパイダーマンの衣装なんかもそれぞれカッコ良くて。特に最後主人公の男の子が自分のスパイダースーツを自分で黒くペイントするんですけど、その衣装がめちゃカッコ良かったです。
基本的にはこの作品はあまり難しいことは考えず、絵も音も動きもめちゃくちゃカッコいいスタイリッシュアニメを楽しむ、でいいと思います。そして、めっちゃ楽しめた。
最近珍しい「マンガ映画」
まぁ、言うても最近のポリゴンアニメなんで、基本的にはリアルさを追い求めてるんですけど、一方でマンガ的な表現も多用されてたんですね。
マンガ的な表現とはどういうことかというと、身体性や質量を完全に無視した、物理的にはあり得ない表現のことです。
例えば、崖から落ちると、地面に穴が空いて、その穴の中から絆創膏を貼って「痛てぇ」とか言いながら出てくる、という感じ。いや、普通大怪我でしょ(^^;;
そういうのは今までは二次元のセルアニメの時代はすごく多かったんですけど、最近は2Dの作品でも見られなくなってしまいましたね。
そういう表現と、リアルで緻密な表現が同居しているところが非常に面白かったですね。
挙句、2Dのキャラクターも「パラレルワールドから来た」という設定で3Dのキャラと同居させるという離れ業までやってのけてて。いやあ、面白かったですねぇ。
だから、伝統的なマンガとリアルな3Dアニメの同居、というのがコンセプトの一つにあったかもしれませんね。
それと、多分ここで言うパラレルワールドってのは別次元のことじゃなくて、「各作品」のことなんでしょうね。実質的には。
むしろ、各作品のキャラを登場させるために「別次元」という設定にしたのではないでしょうか。作品という枠を乗り越えて、一堂に会さしちゃう。言ってみれば「スパイダーマン オールスターゲーム」といったところでしょうか。
ちなみに個人的には、よその次元から来たスパイダーマンとしては、スパイダー・グウェンとスパイダーマンノワールが好きでした。
成長することと同時に導くことの難しさ
主人公のマイルスは勉強もできる上にイケてる感じの高校生の男の子なんですけど、スパイダーマンとしては当然のことながら半人前。意図せずなっちゃいましたからねぇ(^^;;
スパイダーマンへの道は一日にして成らず、といったところだけど、最終的には二日で成ってしまったところが個人的にツボw
まぁそれはそれとして、この作品は全体的には、なりたい自分になれない、なれる才能には気付いているのに、その生かし方がわからない。そんなモラトリアムから脱出したがってる少年の成長譚だったと思います。
また、回りもそんなミハエルを見ているだけではなく、上に引き上げよう、教えよう、とするんですけど、なかなか上手くマイルスの才能を引き出せない。その感じが見てて非常にもどかしくて、やきもきさせられます。その感じが面白いんですけどね。
でも、その両者が引きあうことで、とりわけミハエルが垂らされた蜘蛛の糸をつかむかの如く、必死で自分を助けてくれる大人たちの手を握ろうとしたからこそ、彼は自分のなりたい自分になれたのだと思います。