azzurriのショッピングレビュー

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僕が買ったもの、観に行った映画・ライヴなど、要は金を払ったものに対して言いたい放題感想を言わせてもらおうというブログです。オチとかはないです。※ネタバレありまくりなので、注意!

「コップクラフト」第二巻ネタバレ有り読書感想。ボーナストラックも楽しい、いよいよ本編?!


僕の大好きなラノベ、「コップクラフト 2」を読んだのですが、いやー、やはり僕の性癖にザックリ刺さると言いますが、モロ俺好みって感じでした!

ストーリー、キャラクター、世界観、そしてキャラクターデザイン!

どれをとっても素晴らしく、最高のラノベですね。

そしてまた、今回からがいよいよ本編、といった感じで、今度の展開が益々楽しみな巻でもありました。

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マトバとティラナの関係が進展

第一作は「如何にしてこの二人がコンビを組むことになったか」という前日譚的意味合いが強かったのですが、今回は第2巻ということで、むしろこれからが本域ということになるのでしょう。

ただ、二人の「反目しながらも協力する」という緊張感が薄れた点で、作品の勢いというか緊迫感が欠けてしまっているきらいもあるとは思います。

しかし、その代わりに、どこかほのぼのとした雰囲気が全体を流れており、そしてこの「ほのぼの感」は第一作の緊張感を通過しなければ得られない類のものだと思います。だから、今後しばらくは続いていくであろう、二人のどこかほのぼのとした関係は非常に味わい深いですね。

とはいえ、まだまだコンビを組んでから日が浅いので、ギクシャク感は残っています。そしてそのギクシャク感の方も、第一作とは違い、非常にほほえましく楽しいものになっています(第一作でもその「ほほえましい」萌芽はありましたが)。

実はいよいよ本編!

そんなわけで「コップクラフト」の第二巻はいわゆる「本編」のためか、物語全体に渡る大きな謎かけが出てきた感じです。

セマーニ世界の古文書、ニバの書というものが出てきました。

その書物にはミラージュ・ゲートは「大いなる門」という名前で出てきているそうで、予言、つまり予測された出来事だったんです。でも、「預言」と書かれていたので、神から託された言葉なのかな?

ちなみに、このニバの書は第一巻でも出てきたらしいんですけど、覚えていない(^^;;

いずれにしろ、ミラージュゲートとは何か? なぜセマーニ世界と地球が繋がってしまったのか? その謎の一端がいよいよ登場してきた感じです。

二部構成

本としては二本立てで、最初のエピソードの冒頭の何気ない描写が、二つ目のエピソードの最後の最後に意味を成す、という統一感のある上手い作りとなっていました。

また、二話目は余韻の引き方が特に上手かったですねぇ。二人が仲直りして、めでたしめでたし、と思いきや、ドンデン返し(伏線もキッチリある)があってまた喧嘩。しかし、最後の最後に二人は仲直りして、綺麗に終わる。余韻を二つ持ってくるのもまた上手い。

この最初の、めでたしめでたし、の余韻の引き方がちょっとハリウッド的でもあって、その感じもまた上手く雰囲気が出ていましたね。ちょっと映画を観ているよう。

一話目 科学的アプローチ

セマーニ世界の、地球で言うところの吸血鬼の話。

今回の話はファンタジー世界の吸血鬼に対して、非常に科学的なアプローチを行なっているように思われます。架空の生物に対して、実在する動物を引き合いに出して喩えてみたり、吸血鬼と対決する時も、現代の武器(主にアメリカの警察の)やシステマティックな組織で対抗したり、リアルに細かく描写し、非常にリアルな方法論で対処しようとしています。

また、ファンタジー世界の住人であるティアナにしても、吸血鬼を捜索するに当たって、ある種非常に科学的、論理的な、理詰めのアプローチを見せています。ファンタジー世界の小道具すら「現実」的に使用しているんです。

こういった演出を施すことによって、ファンタジーの世界をリアルに感じることができるし、またそうやってファンタジーに対して現実的な手段を行使することによって、両者の対比を鮮やかに浮き彫りにすることができていると思います。

こうした細かい科学的な言及を用いて異世界とのやり取りを表現することで、異世界との繋がりをよりリアルに表現することができていて、とても上手い演出だと思います。

あと印象的だったのは、1950年代から大気中の放射能濃度が増えたことについて言及していたことですね。理由としては、この年代から核実験が頻繁に行われるようになったからだそうです。こういう形での反核(だと思う)のさりげないメッセージは非常にインテリジェンスだと思いました。

ただちょっと参ったのは、描写が非常にグロいんですよねぇ。ここらへんは、あまりライトノベル的ではないと思うんですけど、どうなんでしょう? この作品的には必然性はあるものの、個人的にはそういうグロ描写は勘弁してほしいですね。

二話目 楽しい描写が盛りだくさん

物語全体の大きな流れには、多分それほどシリアスには関わらない、楽しい回だったと思います。いわゆる日常回ですね。

確かに事件ではあるけど、それまでのものと比べると格段にシリアスさはないし(後の重大事項の伏線になってるかもしれないけど)、風紀班の各メンバーについての説明も多い。

もちろん、主役二人の日常に割く字数が多く、特にマトバの趣味が前面に紹介されています。そこから、仕事以外のマトバの顔が垣間見られて、楽しいですね。

あとは、ティラナ(だけでなくセマーニ人全体)の性教育が中学生以下だということもわかったり、なんというか、全体的に楽しい回です。

マトバとティラナの関係が少し進んだ感じだし、その他のメンバーのパーソナリティや、彼らと主役二人との関係性も一歩踏み込んだ感じ。

ノリノリのボーナストラック

この小説は、アメリカのドラマのノベライズの、しかも翻訳という体裁で作られていますので、当然「ドラマ版主演女優」なるものが存在します。

そして巻末には本作の「原作者」である賀東招二が「ノベライズ版翻訳者」としてティラナ役の女優にインタビューをするという体裁の「小説」が「BONUS TRACK」として収録されているのです。

この感じがまたw どこまでサービス精神旺盛なんでしょう! いや、作者本人がノリノリで楽しんでるんでしょうがw そして、その感じが作品に勢いを与えてるんでしょうね。

ちなみにティラナ役の女優さんは日本のアニメヲタクの腐女子で、ワンフェスにコス参加しようとしてるくらいのゴリゴリのガチ勢、という設定です。

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